「家の次に大きな買い物」といわれる生命保険。だが、「ムダな保険に入りまくっている」という指摘もある。
たとえば月々数百円の保険料で、健康保険が適用されない高額の先進医療代を負担するという「先進医療特約」は本当に必要か。ベストセラー『生命保険の「罠」』(講談社刊)の著者で、「保険相談室」代表の後田亨(うしろだ・とおる)氏は、こう解説する。
「保険料が低く保障は高額なので価値ある商品です。ただしそれは保険会社もわかっているから、バラ売りしない。特約に加入するために、医療、がん保険に入る必要があることが問題です」
そもそも先進医療を受ける人の数は限りなく少ない。厚労省によれば宣伝でよく使われるがんの粒子線、陽子線治療を受けた人は年間約2000人。
「加入者のなかで実際に保険金を受けとった人の割合は、多い会社でも1万人に1人未満です」(後田氏)
※週刊ポスト2012年8月17・24日号