SNS時代を象徴するツールのFacebookで、おじさんたちが元気だという。人材コンサルタントで作家の常見陽平氏は「Facebookで中年の逆襲が始まる」と説く。
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約1年前、著名な若手経営者に教えてもらったことがあります。
「常見さん、Facebookとは、中年の逆襲なのですよ!」
この言葉の奥深さに、私は後頭部を金属バットで殴られたような衝撃を受けたのであります。実に言い得て妙ですね。
Facebookはリア充度や意識の高さを可視化するツールだと言われます。私もFacebookをやっていますが、たしかに職場の仲間とBBQをする、素敵なワインバーで女子同士飲む、海水浴をする、さらには勉強会をして著名講師とパチリなどの光景がいっぱいで、リア充度、半端無いです。あるいは、著名人のブログ、話題のネットニュースの記事などにコメントを付けて紹介する、名言をさも自分の言葉のように紹介するなど、意識の高い行動も目立ちます。さらには、著名人に友達申請しまくり、自慢する輩も。みんな、どれだけ背伸びしているのですか。
ただ・・・。Facebookで目立っているのは、いかにも意識の高い若者ばかりではありません。Facebookで一番リア充なのは、実は中年なのですね。私自身、中年であることもあるのですが、いやー、たしかにFacebook上のアラフォー、アラフィフ、リア充っぷりが半端ないです。
まず、若者は一生懸命声をかけて「友達」を増やそうとするわけですが、中年は人脈が違います。登録して、プロフィール情報を入れるだけで友達申請がいっぱい。大企業で営業部長を勤めていた方は登録して数日で友達が200人をこえたとか。元々の人脈がものを言いますね。そして、中年からの友達申請って「NO!」とは言えない圧力がありますよねぇ、
何より違うのは、写真ですね。写っている料理のレベルが違うのです。あなた、どれだけ良い物食べているんですか!クルマやバイクの愛車自慢写真もいっぱいです。極めつけは、家族の写真です。お子様が既に高校、大学生で、これまたかっこいいこと、かわいいこと。家族に囲まれている写真なんかを見せつけられた日には、無条件降伏ですよ、あなた!家族とFacebookでつながっていますし。しかも、写っている場所がご自宅で、これまたインテリアも外装もおしゃれ。
さらには、これらの写真が載った瞬間、新旧の部下から「いいね」がいっぱい。上意下達の社風で知られる大手広告代理店で役職者がゴルフのコンペで勝った時など、部下や取引先からの「いいね」の嵐ですよ。『水戸黄門』じゃないですが、もう、「ははー!」という感じですよ。20代、30代が束になってかかっても勝てません。
「それって、相当羽振りがいい人なんじゃね?」というツッコミもあるかと思いますが、いや、別にみんな大企業の部長以上というわけではなく、普通のサラリーマンですよ。まぁ、Facebookでその手の写真を載せまくるだけ、自分に自信があるとも言えますが。
ソーシャルメディアは、あらゆることを可視化していきます。これらは個人に、若者にパワーを与えるなどと論じられますが、逆に中年以上の世代のリア充度、豊かさを可視化しているとも言えます。これから十数年かけて、Facebookがもし残っていたとしたら、世代間格差をますます可視化していくのかもしれません。怖い時代ですな。