スポーツ

五輪報道「大騒ぎする松岡」「暑苦しい小倉」にNO!と女性作家

 日本としては過去最多となる38個のメダルを獲得して閉幕したロンドン五輪。選手たちの健闘ぶりは視聴者の心を動かしたが、それを伝える側の姿勢はどうだったか。作家で五感生活研究所の山下柚実氏が検証する。

 * * *
 選手たちの真剣勝負に日本中が目を奪われたオリンピック。まだ余韻もさめやらぬ中ですが、戦いを伝える役目だったTVの現場レポートはどうだったのか? ちょっと振り返ってみると…。
 
 まず、抜きん出て印象的だったのは、TBS高畑百合子アナのレポートです。一言でいえば、試合会場の空気感や臨場感を伝える細やかな描写力が際立った。音、色、匂い、気配がリアルに伝わってくるレポートは秀逸でした。

 たとえば、メダルを競った体操男子団体戦。内村航平があん馬で着地ミス。その採点をめぐって日本コーチ陣が再審議を要求し、混乱したあのシーン。

「実は、試合会場にはモニターが無かったのです」と高畑アナの指摘に、ハッと驚かされました。「だから会場では、採点について抗議していることすら分からないまま。英国が銀メダルをとったと思い込んだ観客たちが大歓声をあげて喜び続けていました」

 しかしその後、順位が修正されて日本が銀、英国が銅メダルに。歓声は大ブーイングにガラリと変わったという。試合会場の混乱と困惑ぶりとが、「音」の描写とともに届いてきて、実にリアルでした。

 高畑レポートは、その他にも「会場全体が日本の応援の三・三・七拍子に満ちていた」、「別の競技の結果にどよめいているさなかで投てき」など、試合会場の空気を「耳」「音」を通していきいと伝えました。「音」のみならず、「色彩」描写も。日本対カナダ戦では「両国の国旗の色はともに赤と白。会場はまさに赤白に埋め尽くされていました」。

 選手と話したとか家族の応援がどうだったという、ありがちな単純なアプローチには依存せず、高畑さんが自分の五感を使って場の空気を取材し、伝えようとしたレポート。遠く離れた日本で画面を見ている私たち視聴者も、ふと、オリンピックの会場に立っているような、そんな「臨場感」に包まれたのです。 

 もちろんその反対で、つい眉をひそめてしまうようなレポートも。中でも、スポーツの爽やかさに水を差すような、「大騒ぎ系」「王様系」「大ボケ系」三拍子は困りもの。

「大騒ぎ系」とは、言わずもがな、テレビ朝日・松岡修三氏。スポーツ観戦もただワーワー騒ぎ、興奮する時代は過ぎつつある。視聴者の見方も分析的になり成熟してきているのに、その変化に気付かない、五月蠅いばかりのレポートは時代遅れの観ありあり。

「王様系」は、もちろんフジテレビの小倉智昭氏。相も変わらず選手を名字でなく名前で呼んだり、妙に親しげにふるまう暑苦しさ。「上から目線」のインタビューに辟易としている人も多いのでは。「裸の王様」ぶりにはもはやレッドカードか。

 そして「大ボケ系」は、ミニスカにハイヒールでヒクシュクを買ったNHKの山岸舞彩氏。普段「サタデースポーツ」などに出ているためか、フリーのタレント・山岸さんが五輪の現地キャスターに大抜擢されて注目を集めました。しかし、残念ながら、腑に落ちない結果に。

「報道陣は靴をドロドロにしながら日本代表を取材しましたが、山岸はポツンとたたずんでいた。ミニスカートにハイヒールで、靴の汚れを防ぐために両足を丸ごとビニール袋で包んでいて、身動きができなかったのです。“なんだ、あの人形みたいなネーチャンは”と民放の記者に大ヒンシュクでした(現地マスコミ関係者)」(「日刊ゲンダイ」2012年7月30日)。

 スポーツに対する知識も語彙も、そして身繕いまでも、ハズしてしまった現地レポート。NHKの大抜擢は、結果として「大ボケ」になってしまったと言えるのかもしれません。

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン