久々に会った娘たちが美しく育っているのを見て、ゴビンダさん(45才)は大きく目を見開いて驚き、やがて目を細めて喜んだという。
1997年に東電OL殺人事件が起きた当時、5才と3才だった2人の娘は、それぞれ20才と18才になった。それほどに長い時間を失ったゴビンダさんはいま、故郷・ネパールで奥さんのラダさん(42才)やその娘2人、そして母親や兄とともに暮らしている。
事件が急展開したのは昨年7月のこと。被害女性の膣内から採取された精液からゴビンダさんとは別のDNA型が検出された。検察はそれを、必ずしも別に犯人がいることを示すものではないと主張し続けたが、今年6月、東京高裁が再審を認めた。それを受けてゴビンダさんは釈放。帰国すると、今月2日、待ちに待った再審開始が確定した。
現在のゴビンダさんの様子について、兄・インドラさん(53才)が語った。
「ゴビンダがネパールに帰ってきてからというもの、親戚や近所の人たちが集まっては、帰国を祝う会を何回も催してくれています」
当初は刑務所での過酷な日々を思い出し、不眠症に悩まされたゴビンダさんも、笑顔を取り戻しつつあるという。
「やっと一緒に暮らせるようになり、ガラスの仕切りのない状態で自由に言葉を交わせましたからね。いまは家族との時間を何より大切にしています。本人は“家族水入らずの旅行で18年間のギャップを埋めることができた”と話していました」(インドラさん)
※女性セブン2012年8月23・30日号