『きょうの料理』(NHK・Eテレ)で、得意のダジャレを駆使した軽妙な進行で人気の後藤繁榮アナウンサー(61)。鈴木登紀子さんとの知られざる秘話をお送りします。普段は24分半でキッチリと番組を収めるなど、見事な手際で知られる同番組ですが、時にヒヤリとすることもあるようで…。
鈴木:卵のときは撮り直しになっちゃったじゃない?
後藤:あ、ありましたねぇ『美濃地鶏』事件(笑い)。何かのときに、ぼくの実家が採卵鶏の品種改良を生業にしていると姫にお話ししたことがあって。その後、番組で卵がテーマになった際、収録前に料理準備室(※スタジオの向かい側にある調理用の楽屋。調理器具や食器を保管するほか、ここで下ごしらえなどもする)へご挨拶に伺ったら、「後藤さんの卵ね、お取り寄せしたのよ」と。
鈴木:それはそれは素晴らしくおいしい卵でした。殻の色もみんな違って、黄身がまたすごいのよね。
後藤:でも、ご存じのようにNHKでは特定の商品名は公表できませんし、姫もリハーサルでは後藤の“ご”の字も口になさらなかったから、「さすが、姫! 公共放送をご理解いただいている」と安心していたんです。ところが本番になって…。
鈴木:…いっちゃった。
後藤:「今日は卵が山積みになっておりますね。これは後藤さんの実家で作っている、おいしいおいしい卵。『後藤の卵』っていうんですよ」と(笑い)。
一瞬、現場が凍りつきまして、「いやぁ先生、せっかくのおもしろいお話なんですが、後藤さんの立場も悪くなると思いますので、もう一度やり直しませんか?」とプロデューサーが飛んできましたね。
鈴木:私、『あさイチ』でもやりました。鍋割り(※料理を鍋の中で人数に合わせ均等に割り付けること)を説明するのに、「3人でしたら、『ベンツ』のマークのように分ければ、平等に割れます」っていったの。生放送だからそのまま放送されちゃったみたい。ダメなのね、NHKさんは。
後藤:いけません、姫(笑い)。スタッフの間では「ばぁば確信犯」説もささやかれておりました。リハーサルでいっちゃうと「先生、やめてください」となるから、本番を狙ったって。
※女性セブン2012年8月23・30日号