ハリウッドでもっとも活躍している女優のひとりシャーリーズ・セロン(37才)。SF映画の金字塔『エイリアン』(1979年)の前日譚となるこの夏の注目SF大作『プロメテウス』(8月24日公開)では、宇宙船を提供する大企業の謎のエグゼクティブウーマンを演じている。アカデミー賞女優の新しい挑戦とは? 本人に聞いた。
――『プロメテウス』に出演しようと思った理由はなんですか?
シャーリーズ:監督のリドリー・スコットが脚本を送ってくれて、こういったの。“30分以内に読んでくれ、でないと爆発するから”って。で、私はそのときマレーシアの山の上にいて、嵐の真っただ中だったんだけど、大きな木の下で脚本をすぐに読んだのよ。リドリーは私がいつかは一緒に働きたいと思っていた監督だったから、その夢が叶ったわ。
――科学者たちを宇宙の旅に連れ出す宇宙船を提供する大企業のエグゼクティブウーマン、メレディス・ヴィッカーズを演じていますが、あなたは、このキャラクター作りにまで参加したとか。
シャーリーズ:脚本家と電話で話し合いをしたわ。クレイジーなアイデアをどんどん投げかけると、1週間半後には、脚本になっているの。スゴイ!って思ったわ。
――あなたが演じたメレディス・ヴィッカーズとはどんな女性?
シャーリーズ:宇宙探索におけるとあるミッションを実現させる“マシーン”ね! 規律ある組織=大企業を治めているの。最初のころは、冷たくてよそよそしいけれど、私がとても面白いと思うのは、後半に行くに従って、ベールが剥がれ彼女が実際に何をしているのかが、わかってくることよ。それがなんなのかは、楽しみがなくなるから秘密にしておくわね。
――監督のリドリー・スコットは『エイリアン』でシガニー・ウィーバー演じる最強の女性ヒロインを誕生させました。タフな女性を描くことでは定評があります。
シャーリーズ:そうよ、リドリーが、強いヒロインの原点をつくったのよ! それまで映画の中では、男性だけが演じてきたSF大作の主人公に、女性の感覚や考え方を取り入れた。今回も撮影しながら、常に、女性の心のひだを考えて、いろいろ変更を加えていたわ。女性をとてもパワフルな存在として、感じているからだと思うけれど、男性監督としてはとてもまれなことね。
――実際に宇宙に行ってみたいですか?
シャーリーズ:サー・リチャード・ブランソン(ヴァージン・グループの会長でイギリスの実業家)とかはやろうとしているわよね。4億ドルとかかけて。そうね、私は、そういうことすべてにオープンよ。もし行けるなら行きたいと思うかもしれないわね。
――恐怖はないですか?
シャーリーズ:わからないわ。行ったことがないんですもの。まず、やってみてどういうものか経験してみないとね。
取材・文■立田敦子
『プロメテウス』
古代遺跡で宇宙からのメッセージを受け取った考古学者エリザベス・ショウ(ノオミ・ラパス)らは、大企業のエグゼクティブウーマン、メレディス・ヴィッカーズ(シャーリーズ・セロン)らとともに宇宙船プロメテウス号に乗り込んで、未知の惑星へと旅立つ。『エイリアン』(1979年)の巨匠リドリー・スコットが、人類の起源という壮大なテーマに迫るエピック・ミステリー。8月24日より全国ロードショー。