女性は年代によってかかりやすい病気がある。女性の体を守ってくれる女性ホルモン=エストロゲンのバランスが関係する場合が多く、特に分泌量が減少し始めるオーバー40世代は、女性ならではの病気も増えてくる。
女性特有のがんとして特に注意したいのは乳がん、子宮がん、卵巣がん。早期発見するためには定期的に検診を受けておくことが重要だ。ただし、自治体で乳がん検診、子宮がん検診を受けているから安心かというと、実はそうとはいい切れない。
女性医療ジャーナリストの増田美加さんはこう語る。
「自治体によっては乳がんの早期発見に威力を発揮するマンモグラフィ検診を行わず、エコーや触診だけで済ませているところや、古いタイプのマンモグラフィをいまだに使っているところもあります。精度の高い検診は『マンモグラフィ検診精度管理中央委員会』の認定を受けている医師、技師、マンモグラフィ機器が揃っている施設で受けたいものです。病院に問い合わせてみてもいいでしょう」
また、子宮がんには20~30代の女性に多い子宮頸がんと、閉経後の女性に多い子宮体がんがあるが、ほとんどの自治体の検診で行っているのは、実は子宮頸がんの検診のみ。
「40代以降は、自治体の子宮がん検診とは別に、婦人科で、定期的に婦人科検診を受けることをおすすめします。乳房に違和感がある場合は、専門は婦人科ではなく乳腺科や乳腺外科になります」と増田さん。さらに女性も自分のための“かかりつけ医”をもつことをすすめる。
「私は女性は更年期をきっかけに、一生つきあえる婦人科のマイドクターをもつのがよいと考えています。ちょっとした体の不調から、冷え、便秘、肌荒れも、ホルモンの影響を受けていることが多いのです。さらに子宮や卵巣の病気まで相談できるマイドクターがいれば、これからの人生を安心して過ごすための心強い守り神になるはずです」(増田さん)
※女性セブン2012年8月23・30日号