歴史を繙けば、竹島が日本固有の領土であることに疑いの余地はない。1905年に日本領土編入を正式に閣議決定。1910年に韓国を併合したときも、併合以前からの日本領として朝鮮総督府の管轄には入らなかった。
人気の竹島観光の玄関口でもある韓国領の鬱陵島(ウルルンド)には「独島博物館」が建てられているが、博物館の展示物には意図的に改竄された資料もある。江戸時代に鬱陵島で起きた日本人と朝鮮人との争奪戦も、あたかも竹島で起きた史実のごとくジオラマで再現しているのだ。
こうした捏造された史実を多くの韓国国民が信じ込んでしまっているのだから始末が悪い。
「作文教育といって、小学校では『独島は韓国のもの』という題で作文を書かせる。独島は愛国のシンボルだから、日本がどんな主張をしようが関係ない。老若男女すべてが関心を持っている話題であり、韓国人にとって元気が出る、闘争心を湧かせる話でもある」と話すのは産経新聞ソウル駐在特別記者の黒田勝弘氏だ。
李大統領の竹島訪問を受け、日本政府は国際司法裁判所への付託を呼びかけているが、韓国側は応じようとはしない。その理由について、東海大学海洋学部教授の山田吉彦氏が解説する。
「韓国政府が応じないのは、竹島問題が解決しては困るからです。韓国にとって竹島は国内問題で、反日の象徴である竹島を持ち出すことで国内の不平不満を日本に向けさせることができる。
例えば、私が4年前に釜山と対馬を結ぶ民間のフェリーに乗ったとき、全座席のヘッドレストのカバー部分に竹島の写真とともに韓国語で『独島はわが父』の文字がありました。ハングルですから日本人には読めません。最初から日本人にわからせようという気はなくて、国内向けのパフォーマンスなんです」
繰り返すが、こういった行為を繰り返すことは、韓国が自らの主張に自信の無いことの証左でもある。だが放置しておけば、嘘が既成事実化されてしまいかねない。日本も国際世論に強く訴えるなどの対応が必要だろう。ロンドン五輪を通じて、世界が韓国の異常さを感じ始めている今こそ、その好機かもしれない。
※週刊ポスト2012年8月31日号