平均視聴率22.5%という高い注目度の女子マラソンだったが、人気に実力が追いついていなかった。最高位は木崎良子(27)の16位、尾崎好美(31)が19位、重友梨佐(24)は79位と、“最低でも入賞”の謙虚な目標にすら遠く及ばない結果に終わった。
そもそも実力不足と苦言を呈すのは、1984年のロサンゼルス五輪4位で、現在は旭化成陸上部の監督を務める宗猛氏。
「チーム戦でペースを上げ下げするアフリカ勢を真似たところで、個々の力がなければ意味がない。明らかに練習量が不足していた」
ロンドン五輪に向けて、女子マラソン代表は実業団の枠を越えて合宿を行ない、共同戦線を張っての勝負に挑んでいた。スタート後に様子を見て、2時間25分ペースより遅ければ3人が前で主導権を握り、当日調子の悪い選手がいれば、その選手が自らを犠牲にしてペースメーカーになるという取り決めもあったという。しかし、そんな戦略も取らぬ狸の皮算用だった。
「そもそも“絶対勝ちたい”というハングリー精神が選手には足りなかった。木崎は、五輪が終わったら結婚、引退も視野にあると周りに話していて、結果よりも、五輪に出られることに喜びを感じているように見えました」(スポーツ紙記者)
シドニー五輪(2000年)で愛弟子、高橋尚子を金メダリストに輝かせた小出義雄氏は嘆く。
「Qちゃんはものすごく練習したの。今の子の10倍くらいはしてた。練習は量の問題じゃないけど、やっぱり1番になりたかったら他のことを犠牲にしてでも練習をしないとね。外国勢の死にもの狂いの精神が足りなかったんじゃないかなぁ」
※週刊ポスト2012年8月31日号