50才を超えても30代にしか見えないと話題の医師、南雲吉則(なぐも・よしのり)さん。驚異のアンチエイジングを自ら体現するナグモ先生が、家族の健康からダイエット法、美容術まで、あなたのあらゆる疑問にズバリお答えする。
【プロフィール】
南雲吉則■医学博士・乳腺専門医。乳房専門『ナグモクリニック』総院長。1955年生まれの57才。東京慈恵会医科大学卒業。国際アンチ エイジング医学会名誉会長。著書に『50歳を超えても30代に見える生き方』(講談社)、『「空腹」が人を健康にする』(サンマーク出版)など。最新刊は 『Dr.ナグモ式 永遠の美バイブル』(ポプラ社)。
【質問】
年々、夏の暑さがきつく感じるようになりました。体力もなくなったし、疲れが抜けない気も…。これってやっぱり老化ですか?
(ゆうたんのママ・48才・主婦)
【ナグモ先生の回答】
ぼくはいまでこそ、実年齢より20才は若く見えるとかいってもらえるけれど、そもそも若返りたい!と思っていたわけではないんだよ。最初は、単にやせたい、という思いだけだった。大学病院にいた38才のころ父親が倒れ、自分の夢なかばにして父親の病院を継がなくちゃいけなくなったとき、ストレスがたまって暴飲暴食と不規則な生活が続いてしまって。どんどん太って体も不調だったし、気持ち的にもきつかったな。
でもその後、最初にいったように、50才を前にして、自分の人生や生き方を考え直して、食事や睡眠など、生活習慣を変えてからは、年々若々しくなったんだ。もしかしたら、ぼくはあの38才のころがいちばん老けていたかもしれない(笑い)。
でもいまは、肌にもハリが出てきたし、体も思うように動いてくれるようになったんだ。現在も、1日に4件の手術をずっとしているんだけれど、全然疲れない! むしろ助手の若い人たちのほうが疲れているみたいだよ(笑い)。
疲労感というのも、ほとんどの場合が、脳が見せる“幻想”。みなさんが感じている疲労感には“感”という字がついているよね。ほかにも、無人島にただひとりでいるわけでもないのに、孤独と感じてしまう“孤独感”しかり、お腹は減ってないのになんとなく気持ちが食べたくなっちゃう“空腹感”しかり。
老いの感覚、というのも同じじゃないかな。掃除や料理をするのはだるいけれど、友人との外食や大好きなタレントのコンサートには、大喜びで元気に出掛けて行くなんていう経験、誰にでもあるんじゃない? それなら老化じゃなくて、脳が年寄りを演じているだけ。だまされちゃだめだよ(笑い)。
こんな経験ないかな。家族を送り出してからテレビの前に座るとついお菓子を食べてしまい、太るし、作業も進まず自己嫌悪の悪循環…。それを断ち切るためには、まず、午後に楽しい予定を入れてみよう。そして昼までは座らないで一気に家事を片付ける。楽しい午後を思えばやる気も出る。これがエクササイズの代わりになってスタイルもよくなる「ノンエクササイズ」の考え方! 脳に支配されずにキャピキャピ生きようよ。
※女性セブン2012年8月23・30日号