「お金が貯められる人は、常にお金に気を向け、優しく接しています」――というのは、税理士として、長年、多くの経営者を見てきた亀田潤一郎さん。お金持ちというのは、概してお金に優しい性格なのだという。お金の扱いがていねいで、財布にも気を使っている。その結果、やってきたお金がすぐに出ていかずに長く手元にとどまってくれる、というのだ。
「貯蓄力をつける第一歩としておすすめしたいのが、お金にとって居心地のよいお財布を持つこと。お札が無闇に折り曲げられたりせず、ピン札がそのままの状態をキープできる長財布が理想的です」
色や値段、ブランドは特にこだわる必要はないが、自分自身がときめくことができるお財布であることは重要だ。
「長く愛用しようという気持ちから大切に扱うことになり、それが、お金を大切に扱うことにもつながります」
また、財布に自信があると、立ち居振る舞いや他人との接し方も変わってきて、お金がはいってくる生き方に変わることもよくある、という。
「財布が傷んでいたり、気に入っていなかったり、自分自身に気合をいれたいときや、人生の分岐点などなら、思い切って買い替えるのがよいのかもしれませんね」
財布そのもの以上に大切なのは、財布の状態だ。
「お金以外の余計なもののために、ずんぐりとふくらんだメタボ財布は要注意です」
特に、女性の場合は、うっかりすると、整理していないレシート類、ポイントカードなどで、お財布がパンパンにふくらむことがよくある。これでは、お金の居心地がいいわけがない。
「財布の中身をすべて取り出して、整理してみてください」
整理すべきは、まずレシート類。家計簿のためにとってあるなら、早めに整理して処分しよう。カード類は、よく使う1軍とあまり使わない2軍に分け、よく使うカードだけを財布に戻す。財布のカード用ポケットに1枚だけが原則だ。2軍のカードは、専用ポーチなどに入れるようにする。
小銭も整理ポイント。
「小銭入れを別に用意するのが理想的です。使いにくいと思いがちなようですが、使ってみると、意外に楽ですよ」
余分なものを整理したら、お札を財布に戻す。お札の向きは上向きでも下向きでも構わないが、
「お札がすべて同じ向きになるようにすることが重要です。また、1万円札、5千札、千円札の並べ方にも、自分なりのルールを持つこと」
それにより常に財布の状態やお金に気が向き、貯蓄力がつくことにつながるという。さあ、今日から、お金に優しくしてみませんか。
※女性セブン2012年8月23・30日号