“若貴兄弟”の母でタレントの藤田紀子さん(64才)との“30才差”熱愛報道で、ピースの綾部祐二(34才)が世間を驚かせているが、綾部以外にも熟女好きを公言する芸人は多く、今や空前の“熟女ブーム”だ。なぜここまで熟女がウケるのだろうか? 心理学者で駒沢女子大学教授の富田隆氏に聞いた。
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熟女が人気を集める理由のひとつは、彼女たちが人生経験を積んでいて、母親的な特性を持っているということがあると思います。男性にとって母親は愛情のいちばん最初の対象でもありますから、男性は母親的なものに普遍的な憧れがあります。母親的な要素を持っている女性に惹かれやすいという傾向は一般的にあると思います。
優しさや人を慈しむ力だとか、育てるとか励ますとか女性が持つ母性は、非常に価値のあるものです。性的な意味合いにおいても、価値があればあるほど魅力的なものになります。人間には、大切なものを追い求めるという価値的思考の傾向があるので、母性と呼ばれるような人間性の美しい面、価値のある部分に惹かれるのは自然なことです。
現在の日本は少子化で、しかも、子供を完璧にコントロールしようとする“支配的母親”も少なくないと思います。こういう“強い母親”の呪縛から逃れられない男性の中から、“熟女以外には性欲を感じない”というアブノーマルな性癖をもつ“熟女専科”の人が現れても不思議はありません。
かつては経験の少ない若い女性を性の対象として求める傾向が強い時代もあったと思いますが、今は人生経験の中で酸いも甘いもわかっていて、柔軟に男性の甘えやわがままも受け入れてくれる成熟した大人の女性に憧れる人が増えている。これは、考え方によっては、ある意味では横着というか、楽をしたいという部分でもあります。多くの男性は、未熟な女性に労力をかけるよりは、経験豊富で自分のことを受け入れてくれる年上の女性といい関係を結びたい、つまり、楽なほうへ引っ張られているわけです。
異性に対して労を惜しまないというのは、性欲が非常に強い状態だからこそできることです。今、女性が積極的になり強くなったと言われる社会背景があるわけですが、それは性的な関係においても言えると思います。大きな流れでいうと日本人が全体的にセックスレスになっている中で、非常にパワフルで、性的にも活発な女性が増えていますよね。
男性が女性をリードしなくてはいけないという“しがらみ”がなくなって、女性がより積極的になりリーダーシップを発揮しているわけです。年を重ねても魅力的に映るために自分を磨こうと努力をしている女性が増えているのはその一例でしょう。男性から女性に役割が移ったと考えるほうが流れとしてはわかりやすいのかもしれません。こうしたことも、熟女ブームの背景にあるのではないでしょうか。