連日猛暑が続く中、電力需要は各電力会社の供給能力を下回り、日本のどこも電力不足に陥っていない。原発をめぐって国論が二分されている中、脱原発のシンポジウム『倫理と成長の脱原発』(9月16日)を主催する漫画家の小林よしのり氏は、かねてより、「原発を動かさなくても電力は足りる」と主張してきた。
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省エネ家電の技術が飛躍的に進み、電力需要は下がる一方である。にもかかわらず、関西電力は夏前から「電力不足」をしきりに喧伝していた。それは「原発を再稼働しなくては電力不足に陥りますよ」という脅しで、大飯原発を再稼働したかったからに他ならない。そして彼らの思惑通り、大飯原発は再稼働されてしまった。
だが、夏を迎えてどうだろうか。日本各地で電力需要は供給能力を下回り、関西電力も原発を再稼働しなくても電力が足りたのではないかとの疑念が生じている。
事実、原発を再稼働しなくても、他の電力会社から融通してもらえば、関電でも電気は十分足りたのである。わしは夏前からこの点を指摘していたのだが、その通りになった。原発を再稼働する必要などないのだ。