『きょうの料理』(NHK・Eテレ)で13年来の名コンビで、「若殿」「姫」と呼び合う料理研究家の鈴木登紀子さんと後藤繁榮アナウンサー(61)。二人の絶妙トークが人気だ。だが、後藤アナは時に家で口を滑らせてしまうこともあるようで…。二人が番組について語り合った。
鈴木:若殿とはずいぶん長い間おつきあいさせていただいておりますけれど、こうしてちゃんとお話しするのは初めてですわね。
後藤:そうですね、『きょうの料理』では、いつも横の位置からお話しさせていただいておりますから。
鈴木:若殿はご自宅でお料理は…なさらないわよね。
後藤:ピンポ~ンでございます、姫。台所に立つのは、恐縮ながら、焼酎の水割りを作るときくらいです(笑い)。仕事もすっかりリタイアしたら、じっくり料理と取り組もうと思ってはいるんですけどね。
鈴木:思うだけでよろしいわ。やさしい奥様がいらっしゃるのだもの。
後藤:もちろん、食事を作ってもらえるのは有り難いと感謝しているんですが、なにぶん、『きょうの料理』で舌を鍛えられているものですから、ときには思わず「ちょっと火を入れすぎたね。本来はこんなに硬くならないはずなんだけどね」などと、つい口を滑らせてしまったり、息子が「お父さん、今日のお味はいかがでしょうか」とわざと夫婦の火種を作るようなことをいうんですよ。
鈴木:ダメですよ若殿、そんなこといっちゃ。あのね、番組のお味とご家庭の味は違って当たり前ですよ。家庭料理は、そのおうちにしかない唯一無二のお味だからおいしいの。
後藤:「みそ汁は、煮えばなをいただくのが大事」という姫の金言があります。鍋を火にかけすぎて、煮え上がってしまうことがありますよね。そうしますと、「このみそ汁は煮えばなとはいわない」と、期せずして専門用語が口をつく…みたいな。
鈴木:それは、いわぬが花だわよ(笑い)。
※女性セブン2012年9月6日号