ジワジワと家計を圧迫する、食品の値上げ。今年7月、J-オイルミルズや日清オイリオグループが食用油を1kgあたり10~12円引き上げた。これに伴い、家庭向けの600g入りサラダ油で6~7円値上がりしている。
「どうせ数円のことでしょ」
なんて高をくくっていると後から痛い目を見ることも。資源・食糧問題研究所代表の柴田明夫さんが解説する。
「食用油の値上げの主な原因は今年6月からアメリカ中西部を襲っている大干ばつです。日本が輸入に頼るアメリカ産の大豆が不作となり、大豆を原料とする食用油が値上がりしたんです」
今後は、同じく大豆を原料とするしょうゆやみそも値上がりの可能性があるという。値上げはさらに食卓に襲いかかる。
「日本が主にアメリカから輸入する大豆やとうもろこしなどの穀物は家畜の飼料になります。穀物が不作になると飼料代が値上がりするので、肉類や乳製品にまで影響が及びます。秋口にかけてこれらの商品の値上げもありえます」(柴田さん)
また国内の生乳生産の落ち込みにより、9月からは明治と森永乳業の家庭用バターが1箱15円ずつ値上げされる。それだけではない。
「いまのところ小麦価格は落ち着いていますが、とうもろこしの価格が上がれば、代替品となる小麦に需要が集中し、値上がりの原因に。今年は小麦輸出国のロシアやウクライナでも干ばつ傾向があり、今後、小麦価格が一気に上がるかもしれません」(柴田さん)
2008年の小麦価格高騰時は、パンや麺、菓子類がこぞって値上がりした。危険サインに気をつけよう。
※女性セブン2012年9月6日号