大阪維新の会が首都・東京に殴り込んで来る! 本誌はその切り札とされる有力“候補者”の情報を入手した。なんと「明治天皇の玄孫」だというのだ。
本誌前々号で公開した「維新政治塾」の塾生888人の実名リストは、政界関係者の間で大きな注目を集めた。名前が挙がった塾生は誰もが大阪維新の会の次期総選挙の候補者になる可能性がある。民主、自民の議員も、自身の選挙区の対抗馬が誰なのか、気になるのも無理はない。
ただし、現時点ではこの888人のうちどの塾生が総選挙で実際に出馬するかははっきりとしない。
維新塾では9月15日、12人の塾生による演説会が予定されており、「代表に選ばれた塾生は有力候補になる」(塾生)とされているが、それに先立って、水面下では能力や経験、知名度などが勘案され、有力な塾生には候補者の白羽の矢が立ちつつある。
実は、すでに東京の選挙区における「最大の目玉候補」はほぼ決定しているという。維新の会関係者が明かす。
「明治天皇の玄孫(やしゃご)に当たる渡邉徹氏(33)です。大阪維新の会は自民出身議員が多く、現在は安倍晋三・元首相との連携を模索するなど、保守勢力の結集を目指している。その点、渡邉氏のバックグラウンドは申し分ないし、“西の徹(橋下氏)、東の徹(渡邉氏)”という選挙の目玉的な存在になってくれると期待を寄せている」
渡邉氏の母親は、明治天皇の第六皇女・昌子内親王と、竹田宮恒久王の長男である竹田宮恒徳王の次女・紀子女王(1947年に皇籍離脱)で旧皇族。つまり、渡邉氏は明治天皇の玄孫ということになる。現JOC会長の竹田恒和氏は渡邉氏の母親の弟で、渡邉氏の叔父に当たる。皇室評論家として著名な竹田恒泰氏は従兄弟だ。渡邉氏も旧皇族の人脈は広く、伝統を尊重する保守的な立場を取りつつ、大阪維新の会の改革路線に共感しているという。
渡邉氏はエリート中のエリートでもある。幼稚舎から慶應に通い、中学、高校ではラグビー部に所属。慶應大学から米ニューヨーク州のシラキュース大学に留学した。帰国してからは参院議員だった武見敬三氏の秘書を2年間務めて政界経験を積む。その後は本格的に政治家を目指すべく再び渡米して南カリフォルニア大学大学院で公共政策学を学んだ。
「渡邉氏の後見人は橋下氏が信頼を寄せている東京の政界関係者で、その人物からの強いプッシュがあって維新塾にも入った。東京のいずれかの選挙区から出馬することはほぼ間違いないが、問題は具体的にどの選挙区から出馬するのかということ。みんなの党など選挙協力をする他党の立候補者との調整があるので確定的とはいえないが、現在、官邸幹部を務めている民主党の議員の選挙区ならば面白い選挙戦になると有力視されている」(同前)
本誌は渡邉氏にも取材したが、「いまは何も答えられない」というのみだった。
渡邉氏に限らず、大阪維新の会の選挙準備は着々と進んでいる。決戦のときは「近いうち」である。
※週刊ポスト2012年9月7日号