いよいよ最終回に向けて佳境に入っている「夏ドラマ」。テレビ各局は出演者をバラエティーやワイドショーに連日登場させるなど番宣(番組宣伝)に次ぐ番宣で盛り上げに懸命だが、視聴率のほうはいっこうに盛り上がらない。
フジテレビの看板である「月9」の『リッチマン、プアウーマン』(小栗旬主演)は平均11.6%。昨年、40%超の大ヒットとなった『家政婦のミタ』と同じ時間枠の日本テレビ「水10」の『トッカン 特別国税徴収官』(井上真央主演)が平均10.9%。TBSのドラマのなかで最も数字のいい『サマーレスキュー ~天空の診療所~』(毎週日曜21時~、向井理主演)でも平均10.9%でしかない(視聴率はいずれも8月25日現在)。
かつては人気ドラマの指標といえば「視聴率20%超え」だったが、今では「視聴率10%超え」がやっと。19時から23時のプライムタイムのドラマでも、1ケタ台が珍しくないのが実情だ。
いったいドラマはどうしてしまったのか。今年の夏はロンドン五輪の影響が大きいとも考えられるが、4~6月の「春ドラマ」でも平均視聴率10%超えは6本しかなく、1ケタ台が10本を数えた。NHK大河ドラマ『平清盛』も視聴率10%前後で低迷し、オダギリジョー(36才)主演の『家族のうた』(フジテレビ系)が視聴率3%台で早々に打ち切りになったのも記憶に新しい。
この現状に、ドラマ通で知られる漫画家のカトリーヌあやこさんも、さすがに呆れ果てた様子でこう言う。
「一応ドラマは全部見てますけど、挑戦的なテーマのドラマが少ない。テレビ局にドラマをきちんと作り込む体力がなくなってきているのかな。新ドラマが始まると、“前のクールは何やってたっけ?”と感じるほど作品に印象がない。根っからのドラマ好きな私でもこう思うのですから、いっそのことドラマの数を減らしてもいいのではと思います」
※女性セブン2012年9月13日号