近頃の熟年世代はまさに、老いてますます盛ん。ただし、熟年カップルのSEXでは、注意点がいくつかある。
●ボディラインの崩れへの対処法
女性は加齢とともに衰える肌の張りや、自分のボディラインの崩れをひどく気にする。若者とは違い、熟年のSEXは昼の明るい時間帯に行なわれることが多く、自分の裸身を晒すことを躊躇するため、ベッドインに持ち込めないことも多い。この時、男性はどう配慮すれば良いのか。
男性が思っている以上に女性は自分の肉体の老化を気にするもの。まず部屋を暗くしてあげること。これで女性は安心する。そして触った感触を言葉で表現すると良い。「ああ、なんて柔らかいんだ」、「肌がすべすべだね」という風に、女性が自信を持てるようなほめ方をすれば、やがて大胆になってくるだろう。
●濡れにくい相手への配慮
いくら興奮していても、女性は閉経を境に濡れにくくなる。膣内に張り巡らされた毛細血管が閉経後は減ってしまい、潤いを保てなくなるからだ。
当然、濡れていない状態でペニスを挿入しようとすれば痛みが走り、時には傷ついてしまう。そうした性交痛を避けるため、潤滑ゼリーやローションなどは必須だ。薬局ではコンドームなどと同様に販売しており、手軽に購入できる。
●激しい腰使いは禁止
還暦を過ぎた身で張り切りすぎると、身体にダメージを負うことにもなりかねない。体位の選択も重要だ。
『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』などの著書がある医師・宋美玄氏は、2人の一体感を重視した体位を奨励する。
「おススメは、うつぶせバックや側臥位です。腰を動かしにくい省エネ体位なので体力の消耗を抑えることにも向いています。対面座位で結ばれたまま見つめ合うのもいいでしょう。女性は過激なセックスよりも肌を重ね合わすことで愛情や悦びを感じます。
まだ若いからと頑張り過ぎて、激しい腰使いをしたり、肉体的に負荷が掛かる体位は、腰痛や筋肉痛だけでなく、最悪の場合、陰茎折症といってペニスが折れてしまうことにもなりかねません」
※週刊ポスト2012年9月7日号