ライフ

秋ビールに求められる香りにリラックス効果ありとの検査結果

秋のビールにはコクと香りが求められる

 まだ酷暑は続くが、各社から「秋ビール」が出そろった。キレの「夏ビール」と違い、「秋ビール」はコクと香りがポイントだ。リラックス効果も高い「秋ビール」の実力を、食と料理文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。

 * * *
 秋の「ビール」が百花繚乱である。1991年に発売された最古参のキリン「秋味」をはじめ、サッポロの「日本の彩(いろどり)PREMIUM 秋の幸」(コンビニ限定)、さらには“第三のビール”(リキュール)も、サントリーが「旨味たっぷり 秋楽」、アサヒも「秋宵(あきよい)」を発売し、国内ビール大手4社から「秋」が出そろった。

 共通するのは「コク」と「香り」である。キリンやアサヒの独自調査によれば、秋のビールには「コク」「香り」が求められる傾向が強いという。気温と湿度が高い夏にはキレ味の高いビールが好まれる。一方、涼しくなってくる「実りの秋」には、食中酒としての「味わい」「香り」がより求められるというのだ。

 各メーカーのプレスリリース等から「秋」商品の特徴を抜粋する。

 キリン「秋味」(ビール)。通常ビールの1.3本分の麦芽を使用し、アルコール度数は少し高めの6%。「味覚の秋にふさわしい、しっかりとしたコクと飲みごたえのビール」。

 サッポロ「日本の彩(いろどり)PREMIUM 秋の幸」(ビール)。米は北海道産米100%、麦芽とホップも国産品。道産の生小麦使用でやわらかで豊潤な味わいを実現。アルコール分5%。

 サントリー「旨味たっぷり 秋楽」(リキュール)。全麦芽の20%以上を焙煎したロースト麦芽を使用し、「上質な苦味、深みのあるコク、香ばしく厚みのある香り」。アルコール度数6%。

 アサヒ「秋宵(あきよい)」(リキュール)。発芽させてからローストした「クリスタル麦芽」を使用。「芳醇なコクと苦味・後味のバランスがとれたリッチな味わい」。アルコール度数6%。

 言葉は違えど、コク、飲みごたえ、苦味、芳醇(豊潤)、リッチなどのキーワードが抽出されている。四季にメリハリのある日本では、季節ごとに求められる味わいが変わるというわけだ。

 例えば、沖縄のオリオンビールは1959年の発売当初、ドイツの技術を土台に味を開発した。発売当初、ドイツの味は高温多湿な沖縄では受け入れられずに、アメリカ風の軽い味わいへと方向転換を余儀なくされた。いっぽう涼しさを増してくる日本、とりわけ本州以北秋には、コクが豊かで香り高いビールが合うというわけだ。

 フード系シンクタンクの「味香り戦略研究所」が大手ビール4社の主力商品を対象に実施した「『ビールの香り』についての官能検査」によれば「ビールの香り」にはリラックス効果が認められた。脳のα波の測定結果では、香りの豊かさに定評のある「ザ・プレミアム・モルツ」(サントリー)がとりわけ高い数値を示したという。

 α波が豊富に出現する状態というのは、心理的にはリラックスした状態をあらわす。秋の夜長を心穏やかに過ごすには、香り高い「秋のビール」は最高の友なのかもしれない。もっともデータに頼らずとも、ビール党にとってビールは1年を通じて最高の友である。

関連記事

トピックス

「ナスD」として人気を博したが…
《俺って、会社でデスクワークするのが苦手なんだよね》テレビ朝日「ナスD」が懲戒処分、517万円を不正受領 パワハラも…「彼にとって若い頃に経験したごく普通のことだったのかも」
NEWSポストセブン
トレードマークの金髪は現在グレーヘアに(Facebookより)
《バラエティ出演が激減の假屋崎省吾さん“グレーヘア化”の現在》中居正広氏『金スマ』終了を惜しむカーリー「金髪ロング」からの変貌
NEWSポストセブン
姉妹のような関係だった2人
小泉今日子、中山美穂さんのお別れ会でどんな言葉を贈るのか アイドルの先輩後輩として姉妹のようだった2人、若い頃は互いの家を行き来し泥酔するまで飲み明かしたことも
女性セブン
彼の一世一代の晴れ舞台が近づいている
尾上菊之助「菊五郎」襲名披露公演配役で波紋、“盟友”尾上松緑を外して尾上松也を抜擢 背景に“菊之助と松緑の関係性”を指摘する声も「最近では口もきかない」
女性セブン
39度目の甲子園で戦った明徳義塾・馬淵史郎監督(写真/産経新聞社)
【敗軍の老将・兵を語る】明徳義塾・馬淵史郎監督がメディアの報道に「頭にきているんですよ」 それでも健在だった的確な「敗因分析」コメント
NEWSポストセブン
「え、本物……?」小柄だが顔が激似の“大谷似翔平”にファンが歓喜
「似すぎ…!」大谷翔平に今永昇太…メジャーリーグ開幕当日、東京ドーム場外に“そっくりさん”が大量出没「めっちゃ本人じゃん」
NEWSポストセブン
大の里の昇進をめぐっては悩ましい問題も(時事通信フォト)
大の里「次の横綱」への最大の懸念は“大関ゼロ”問題 ガチンコ全盛時代に求められる“2場所連続優勝で文句なしの昇進”のハードルの高さ
週刊ポスト
実際の告知は執行当日、1〜2時間前に行われることが基本となっている
《死刑当日告知裁判》「早朝、革靴の足音で “その瞬間”への恐怖が増す」死刑囚と接した牧師が明かす“執行前の実態”「精神的な負担から睡眠薬頼りに、顔は腫れぼったく収監前の面影が消える」
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”の女子プロゴルフ・川崎春花、阿部未悠、小林夢果を襲う「決勝ラウンド3人同組で修羅場中継」の可能性
週刊ポスト
都内の高級住宅街に大きなあ戸建を建設中の浅野温子
浅野温子、都内高級住宅街に二世帯住宅を建設中 資産価値は推定5億円、NHK元アナウンサーの息子一家との同居で始まる“孫育て”の日々
女性セブン
再婚妻との子どもが生まれた東出昌大。杏はイラストで子どもとの日常を投稿
《東出昌大と新妻による出産報告も突然のYouTube休止》3児の母・杏がSNSに投稿していた「家族イラスト」の意味深な背景
NEWSポストセブン
寺本幸代監督が制作秘話を語った
《口コミでも絶賛の話題作》『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』監督が明かした制作秘話 「ドラえもん愛」「王道への挑戦」から生まれたこだわりのシーンとは?
NEWSポストセブン