女性セブンはこれまで幾度となく東日本大震災の被災地を訪れ、生き延びた人たちの生の声を取材してきた。そのなかには、これまでの防災マニュアルにはなかった、リアルな実体験に基づくそれぞれの防災術が隠されていた。8つ紹介しよう。
【大きな地震に襲われたら、まずは小さく逃げる】
大きな揺れの間は、ほとんど身動きが取れない。それでも冷静に小さく動いて窓の近くなど危険な場所を避ける。
【歯磨き代わりに、ポケットのガム】
キシリトール系のガムはある程度、歯を清潔に保つことができ、気分転換にもなる優れもの。咀嚼すると、唾液が出て、口の中を殺菌してくれるうえに、わずかだが空腹感も紛らわすことができる。
【ラップは緊急時の味方】
皿にしいて使えば、洗うときの水の節約に。体に巻いて寒さ対策にしたり、ガーゼのように傷口に巻くことで止血に使うこともできる。
【ケータイよりラジオ】
被災時は電波は繋がりにくいし、ワンセグやネットを使うと充電も切れやすい。ラジオの方が安否情報や被害状況など情報収集に便利。
【津波の泥は病を招く】
東日本大震災の被災者の中には、津波の泥をのみ込んでしまい発疹が出てしまったり、傷口についたことで化膿してしまった人も。
【風呂敷は日本の知恵】
首に巻いたり、膝掛けにしたり防寒にも使え、目隠しにも便利。腰にまいて、下着をはき替えたり、外で用を足したりした人も。
【乾パンは硬くてパサパサで喉を通らない】
防災グッズの定番の乾パンだが、食べ慣れていない人は水なしではなかなか食べられなかったそう。普段食べているお菓子類の方が役に立つという。
【車を捨てる勇気を】
車はガソリンさえあれば、有効な交通手段のうえ、クーラーもラジオも電気だって使うことができる。しかし、地震直後の混乱したなかでは多くの道で渋滞が発生することも。避難中に渋滞にまき込まれたら、車を捨てて、逃げることを最優先に。
※女性セブン2012年9月13日号