8月21日に開かれた静岡県防災・原子力学術会議の地震・火山対策分科会。静岡大学防災総合センターの小山真人教授がこう報告した。
「地震やマグマの突き上げで富士山が『山体崩壊』すれば最大約40万人が被災する」
しかも、発表資料には<被災人口:避難できなかった場合は死者数に相当>――と書かれていた。
内閣府は富士山から約100km離れた東京でも2~10km離れた東京でも2~10cmの火山灰が降り積もると想定。首都圏に及ぶ“富士山有事”にどう備えるべきか。防災システム研究所所長の山村武彦さんがアドバイスする。
「まず、富士山から30km圏内に住む人は念のために疎開場所を決めておくべきです。100km圏内に火山灰が飛ぶ可能性があります。ライフラインや交通網が分断され、数か月程度は首都機能がマヒすると考え、長期戦を覚悟する必要があります。食料と水は最低でも1週間分は準備しておく。できれば自家発電機も備えておきたいですね。
降灰対策の防塵マスク、ゴーグルも欠かせません。灰は目や耳にも入るので目薬と綿棒も必要です。普段からガソリンは半分になったら満タンにする習慣を身につけ、バッテリーも常に予備を忘れないことが大切です」
実際に火山灰が降ってきたら以下の点に注意しよう。
「特に呼吸器系疾患者、乳幼児、高齢者などは無用な外出を避ける。原則、車は禁止で運転中だったらワイパーを使用せず車を路肩に止める。コンタクトレンズはすぐ外さないと眼球とくっついて角膜損傷になる危険があります。外出から家に帰ったらシャワーを浴びてうがいを忘れない。窓ガラスには飛散防止フィルムを貼り、ドアや窓の隙間はテープなどで塞いでスマホやパソコンには火山灰対策のカバーをしましょう」(山村さん)
※女性セブン2012年9月13日号