すらりとしたモデル体形にぴかぴかの美肌。当然、お腹が出ている気配なんてまったくなし。
けれども『やせたい人は、今夜もビールを飲みなさい』(PHP研究所/945円)の著者の管理栄養士の安中千絵さんは大のビール党。ゴルフ部に所属していた大学時代は、1日にビールを大瓶5本以上、軽く空けることもあったとか。
「今はさすがにそこまでは飲みませんけど(笑い)。でも暑い日、みんなで乾杯するときは必ずビールで。もちろんジョッキですよ」
と満面の笑みで答える安中さん。え? でもビールって“ビール腹”っていわれるぐらいダイエットの敵なのでは?
「ビールは肥満や糖尿病の敵と思われがちですが、ビールのロング缶1本のカロリーや糖質は、ご飯茶碗1杯と比較しても1/3程度。だからおつまみに気をつければ、ダイエット中に飲んでも問題ありません」
メタボの象徴ともいわれるぽっこり出たお腹は、実はビールによるものではなく、おつまみなどの余剰カロリーによるものなのだ。
「2009年にドイツとスウェーデンの研究者によって2万人の男女を対象に行われた調査では、ビールを飲む人と飲まない人とのウエストまわりにつく脂肪の差はほとんどないという結果が出ました。
つまりお腹がぽっこり出るのはビールだけによるものではなく、唐揚げやご飯、ラーメンといった炭水化物などのおつまみによる影響が大きいと考えられるのです」
太る最大の原因のひとつは糖質×糖質。つまり糖質が多く含まれるビールと一緒に炭水化物やスイーツをしっかりとってしまうと、肥満の原因に。
「お酒を飲んだあとにアイスクリームを食べたくなるのは脳のトラップによるもの。つまりアルコールによってにせの低血糖状態が起こるため、“もっと糖質を”と思って、スイーツやラーメンなどの糖質を求めてしまいがちなんです。もし、甘いものが欲しくなったら、“あ、私は今酔っぱらっているな”と思って、さっさと寝たほうが賢明。40代以降はお酒のあとに甘いものを食べると、脂肪になりやすくなりますから」
安中さんが食事やアルコールをとるタイミングにこだわるのには理由がある。それはダイエット食堂としてブームを巻き起こしているタニタに、以前社員として勤務していた経験からだ。
「タニタの定食はご飯と味噌汁、スープなどの汁もの、肉、魚といったたんぱく質、野菜がたっぷり使われています。お酒を飲んだ翌日は何も食べないよりも栄養豊富な食事を適量食べるほうがベター。とくにアルコールの代謝、糖質や脂質の代謝に必要なビタミン、ミネラルの供給源となる肉や魚、大豆製品などのたんぱく質はぜひとりたいもの。タニタ食堂でもたんぱく質をとりいれたメニューがたくさんありました」
※女性セブン2012年9月13日号