国内

問責決議案提出の前日に安倍元首相と野田首相側近が極秘会談

 永田町は国政進出準備を進める大阪維新の会と橋下徹・大阪市長を中心に動き始めている。与野党の議員も銀座や北新地のホステスよろしく我先に橋下氏の歓心を買おうとすり寄っている。安倍晋三元首相は維新の会とのパイプを誇示する一方、政策的にはほとんど一致していたはずのみんなの党との関係はこじれてしまった。

 そして、思いがけない人物まで橋下氏に色目を使い始めた。野田佳彦首相その人である。

 間を取り持っているのが橋下氏の取り巻きを自認する山田宏・日本創新党党首。山田氏は野田首相の松下政経塾の1年後輩で、首相のブレーンとして安全保障問題でアドバイスしているとされる。安倍元首相とも親交があり、8月に開かれた山田氏主催の実践政治スクールでは、安倍氏が講師を務めている。いわば維新、民主、自民をまたにかける人物である。

 橋下氏に近い元大阪府議が語る。

「山田氏は野田首相や安倍氏に、橋下維新を軸にした民主党の保守派から自民党にまたがる保守結集の政界再編を説いている。野田首相がタカ派姿勢を強めたり、橋下氏が政権批判から一転、『野田首相はすごい。確実に決める政治をしている』と急にもちあげる発言をしたのも、山田氏の仕掛けの効果です」

 すでに死に体の野田首相は、いってみれば潰れそうな店のママだ。それがやはり潰れそうな老舗ライバル店(自民党)の元ママ(安倍氏)と2人で若旦那を口説いて、店をリフォームしてもらおうとつるんでいるようなものではないか。

 しかし、橋下氏にとって「消費増税反対」と「脱原発」は二枚看板だ。増税首相の野田氏と原発推進派の安倍氏がいくら口説いても成功の見込みがないように思われるが、2人が本気であることをうかがわせる会談が緊迫国会の中で持たれた。

 自民党と公明党が野田首相問責決議案を提出する前日の8月27日、首相官邸近くの中華レストランで安倍元首相と野田首相側近の長浜博行・官房副長官が極秘に会談した。長浜氏は松下政経塾で山田氏と同期だ。

 たまたま同時刻、同じフロアにある別の店で重要な会食が行なわれており、そちらを張り込んでいた番記者たちに中華レストランから出てくる安倍氏と長浜氏が偶然目撃されて発覚した。

 民自公連立路線を批判している安倍氏が、こっそり野田側近と会ったこと自体、問責など実は茶番だったとわかる。

※週刊ポスト2012年9月14日号

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン