いくら“体質”だといっても、妙なタイミングで催して、ありえない場所で「野良便」をされては、家族にとっては迷惑以外の何ものではない…。夫の妙な生理現象にうんざりしているのは、東京都在住のEさん(38才)。旅行中に起きたトホホなエピソードをEさんが紹介する。
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田舎育ちのせいだってダンナは言うんだけどさ。田んぼの光景を見て青臭いにおいを嗅ぐと、生理現象を起こすの。いつかはこんなことになるんじゃないかと思っていたんだけど、それにしても最悪の結末だったわ。
家族で遅い夏休み。鬼怒川温泉(栃木・日光市)に行ったんだけど、念願かなって買い換えた高級車。ハイテンションで話していたダンナが急に押し黙ったかと思ったら「ダメだ」って青い顔して震えだした。田んぼ道に車を突っ込むから呆れながらティッシュの箱を渡してやったわよ。
「おっ」
間一髪。車から降りて走りながらズボンをおろしてひと気のない田んぼにしゃがみ込んだ、まではいいんだけどさ。見上げれば陸橋のふもとで、道からダンナの座っているの、まる見えじゃないのよ。早く終わってくれ~と祈るような気持ちでいた、そのとき。
「ダンナさん。気分でも悪いのかね」
あぜ道の向こうから農作業中のおばあさんに声をかけられ思わず「大丈夫ですっ」って立ち上がっちゃった。
「あはは。そういうことかね。よくあることだ」
おばあさんは笑いながら去ってくれたけど、見逃してくれる人ばかりじゃない。陸橋を渡っている車がわざと徐行してクラクションを鳴らし、ちょっとした渋滞ができちゃったの。なかには、ダンナの方を見てゲラゲラ笑ってる人もいる。
「パパ、早くしてぇ」
涙目の娘が叫ぶもんだから、ますます立ち上がりにくくなったんでしょ。観念して車まで戻ってきたのはいいけどお尻から下は、ビッシリと蚊に刺されてた。結局、それで出るものも出なくなったみたい。
※女性セブン2012年9月20日号