病院での臨床活動のなかから、ダイエットや糖尿病克服に効果がある“糖質制限食”を確立し、提唱するのは、高雄病院理事長の医師・江部康二さん。糖質を制限すれば、満腹になるまで食べてもダイエットが出来るというのだが、いったいどういうものなのだろうか。
「ご飯やパン、麺類、いも類、お菓子など糖質を含む食べ物を控える“糖質制限食”で体重を減らすダイエットです。カロリー制限をする必要はなく、肉や魚は好きなだけ、お酒もOKなので“美食ダイエット”なんていわれているくらい。もともと糖尿病の治療食として考え出された食事法なので、健康にもいいのです。私も実践していますが、1週間で2kg、2週間で3kg、半年で10kgのダイエットに成功。2002年から続けていますが、現在も学生時代とほぼ同じ体重をキープしています」(江部さん)
そもそも、どうして“糖質”がよくないのか。
「糖質の多い食事をとると“肥満ホルモン”と呼ばれるインスリンが必要以上に分泌され、摂取した糖質を脂肪に変えて体内に蓄えてしまいます。インスリンは糖質を制限すればあまり出ないため、“糖質制限食”を続けることで脂肪がたまりにくい体質にできるのです。また、糖質が多い食事をとると血液中のブドウ糖が増え、食後しばらくはエネルギーの消費にそのブドウ糖を使うため、体の脂肪は燃えません。一方、カロリーが高くても糖質が少ない食事は、食事中から体の脂肪を燃やします。摂取した余分なカロリーも尿と一緒に体外に捨てられるため、脂肪として体に蓄えられにくいのです」
※女性セブン2012年9月20日号