『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子といった様々なジャンルで活躍する論客が、毎号書き下ろしで時事批評を展開する。ここでは9月7日に配信された30号より「吉田豪の今週のオピニオン」の一部を公開する。
* * *
ジブリ映画『もののけ姫』の主題歌のヒットで知られる米良美一が、最近、“吹っ切れている”と評判だ。バラエティー番組では、着けていたカツラをボウリング球のように投げられたり、オシメをつけてベビーカーに乗せられたり…。
米良は世界的なカウンターテナーでお笑い芸人なんかではない。なぜ、バラエティー番組で躍動しているのか? その答えは彼の心の変化にある。自身の生い立ち、肉体的な障害、性別を超えた恋、松田聖子のこと…。プロインタビュアー・吉田豪にすべてを語った──。
(※話は米良の大学生時代にさかのぼる)
──大学時代、女性と同棲してたみたいな話もありましたよね。
米良:はい、大学の先輩ですね。同棲というか、同居、同棲…まあ、そうですね。
──そこは曖昧な感じですか。
米良:でも、ちゃんと結婚しようか、ぐらいの感じにはなりました。ただ、そこでもお子ちゃまだから、なんとなく相手を傷つけて。で、結局は相手が自分の中で諦めて。でも私自身、結婚とか、この世で誰かと契約を結ぶっていうのは役割に入ってないのかなって思うことが最近も多いので。
──昔から「結婚は無理だと思う」って言われてましたね。
米良:言い切れませんけどね。ただ、じゃあすごく結婚願望があるかっていうと、それはないので。
──『東スポ』で言ってた「男と女と男で結婚」という特殊な結婚生活ならともかく(笑)。
米良:そうですね、特殊な結婚生活なら。でも、それもあるかっていうと最近はそういうエナジーが枯れてきてるかもしれない(笑)。
──枯れたというか、欲を超えた別のステージに到達して。
米良:いや、どうでしょうか? なんかずっと取り憑かれていたんだと思いますね。それが落ちたのかもしれない。
──色情霊的なものが(笑)。
米良:ええ、色情霊的なものが。色情霊だと思います!
──断言した(笑)。
米良:ホントそうだと思う。抑えられない何かがあったんです、長い間。人を見たらそういう目でしか見れなかったっていうか。
■撮影/林鉱輝