総選挙が行なわれても一向に変わらない日本の政治。漫然と選んで変わらないなら、真剣に落とすことを考えるべきではないか。そこで原発政策での失敗があるが故に落選させるべき3人の政治家を本誌・週刊ポストが選んだ。
【枝野幸男氏】
原発事故発生の際に「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(通称SPEEDI)」(※注)の情報を隠した首謀者である。会見では「ただちに健康に影響はない」と繰り返しながら、この情報を隠蔽したことで国民に無用の被曝をさせた。その罪は計り知れない。
その後、経産大臣に就任すると、「やるべきことは原発をゼロにしても大丈夫な状況をつくること」(2011年9月会見)や、「安全性だけでなく、住民が安心してできる状況かどうかが重要だ」(2011年10月会見)、さらには「原発が全基停止しても、電力制限令によらずに乗り切れる可能性は十分にある」(2012年1月)と発言しながら、科学的な安全性の検証をしないまま「政治判断」で大飯原発再稼働を強行した。二重三重に国民の生命を危険にさらしている。
【細野豪志氏】
震災当時は内閣総理大臣補佐官で、枝野氏とともにSPEEDIの情報を隠した首謀者のひとり。その後、内閣府特命担当大臣として原子力行政を担当し、大飯原発再稼働を推進、実行した中心人物でもある。
【仙谷由人氏】
原発再稼働の首謀者。「(原発を止めるのは)日本が集団自殺をするようなこと」と国民を恫喝し、「再稼働しなければ原発は資産から負債になる。企業会計上、脱原発はただちにできない」と、国民の安全より電力会社の経営を優先させた。
事故で破綻した東電も税金投入で救済し、「ボクの関心事は消費税増税より東電改革と原発再稼働だ」と東電のオーナー気取り。その行動は国民の側に立つ議員ではなく、電力会社の弁護士にしか見えない。
【※注】SPEEDI/原発事故の際、気象情報をもとに放射性物質がどのように広がるかをコンピュータで予測し、自治体に通報して避難に利用するシステム。福島第一原発事故でも正常に稼働し、ベント(排気)の際には原発から飯舘村など北北西の方向に高い濃度の放射性物質が拡散するとの予測が出ていたが、政府が公表しなかったため、緊急避難した住民が濃度の高い地域に移動して被曝する事態を招いた。
※週刊ポスト2012年9月21・28日号