総選挙で政権が交代しても全く変わらないのが日本の政治の現状だ。それを変えるには真剣に落とすことを考えるべきではないか。そこで増税をめぐって落選させるべき3人の議員を本誌・週刊ポストが選んだ。
【谷垣禎一氏】
自民党は消費税引き上げを参院選公約に掲げたが、民主党の増税法案(社会保障・税一体改革法案)を批判していた。ところが、野田首相との会談で「近いうち解散」を条件に成立に協力した。解散という党利党略とひきかえに増税という国民生活を苦しめる政策を決めたのである。国民不在の政治談合である。
そのうえ、公約では「消費税収の全額を社会保障や少子化対策に充当」としていたが、自民党は民主党との協議で消費税法の付則に、「成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分する」と盛り込ませ、増税の税収を公共事業に使うことにした。
国会終盤には、「国民の多くは今も消費増税法に反対しており、今国会で消費増税法を成立させるべきではないとの声は圧倒的多数となっている」という理由で野田首相を問責する決議に賛成し、自ら成立させたばかりの増税の誤りを認める自己矛盾を露呈した。
【野田佳彦氏】
政権を取るまでは「シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです」というシロアリ演説に自ら酔っていたが、首相になると財務省の操り人形となり、「これから生まれてくる子どもは1人700万円の借金を背負っている」と増税を推進した。役人に簡単に操られる程度のパペット政治家。
【与謝野馨氏】
消費税増税の陰の主役。自民党時代は福田、麻生両内閣の経済財政相として消費税増税が必要だという社会保障国民会議の最終報告をまとめ、政権交代後は、それを下敷きに菅内閣の経済財政相となって増税法案の骨格をつくった。自民と民主を股に掛けた財務省の代理人政治家。ただし、次期総選挙に出馬しない意向を表明済み。
※週刊ポスト2012年9月21・28日号