総選挙で政権が交代しても全く変わらないのが日本の政治の現状だ。それを変えるには真剣に落とすことを考えるべきではないか。そこで公務員改革について落選させるべき3人の政治家を本誌・週刊ポストが選んだ。
【仙谷由人氏】
鳩山内閣の行政刷新相に就任した当初は、「事務次官会議を廃止しなければ、政治主導のガバナンスができない」と官僚に厳しい姿勢を見せたが、正体は、「霞が関の守護神」だった。
菅内閣の官房長官になると、官僚の天下りを拡大する退職管理基本方針を閣議決定し、それを批判した改革派官僚の古賀茂明氏を国会で恫喝。さらに官僚を排除していた各省の政務三役会議に「官房長と事務次官は出席してほしい」と要請して政治主導を骨抜きにした。
増税の前に行革が必要だという議論には、「行革をいくらやっても、2兆円、3兆円は出てこない」(2011年12月)と反論したのだから厚顔極まりない。仙谷氏のすり寄りで「民主党恐るるに足らず」とこれまで以上の官僚主導政治を招いた。
【岡田克也氏】
野田政権の行革責任者。国民に増税を強いる代わりに「身を切る改革を」と公務員の給与や退職金引き下げに取り組み、有識者の行政改革懇談会を設置した。しかし、そもそも肥大化した官僚制度の改革は民主党が掲げる「地域主権」など統治機構改革の柱となる政策だ。それを「増税の見返り」や「財源捻出のため」というのは最初から目的を矮小化して改革を骨抜きにしている。
しかも給与引き下げは2年限定、退職金の官民格差是正は来年から段階的に実施と官僚に甘い内容で、いまや「退職金を減らされないうちに」と増税戦犯の勝栄二郎・前財務次官はじめ各省トップの駆け込み退官が相次いでいる。
【蓮舫氏】
事業仕分けでは歯切れのいい言葉で官僚をやり込め、“仕分けの女王”と喝采を浴びたが、その実態は財務省のシナリオ通りに演じた主演女優だった。メスを入れたはずの政策の多くは役所の巻き返しで復活しており、事業仕分けそのものが改革芝居だったことが明らかになっている。
自ら仕分けで凍結していていた埼玉県・朝霞市の公務員宿舎建設を親分の野田首相が財務大臣時代に復活させていたことが問題化すると、「財務省が決めたこと。責任は財務省にある」と責任転嫁した。結果に責任を持とうとしないフィクションの世界の改革派。
※週刊ポスト2012年9月21・28日号