北朝鮮の金正恩第一書記と李雪主夫人の間に今年2歳になる女児がいると中国国営新華社通信がこのほど報じた。
新華社電では、金第一書記が李夫人を同行して、軍や商店や遊園地、一般市民の自宅などを視察するツーショット写真など12枚を一挙に掲載し、視察の模様などを詳細に伝えた。そのなかで、「北朝鮮第一夫人の秘密を暴く」として、韓国の情報機関である韓国国家情報院の情報をもとに、李夫人の経歴を紹介した。
それによると、李夫人は1989年、北朝鮮の咸鏡北道の清津市の一般家庭に生まれた。父親は清津市の大学教授で母親は産婦人科の主任医師。李夫人は平壤市の金星第二高校を卒業後、中国で声楽を学んだという。
その後、平壌の楽団に入り、その才能を伸ばして、北朝鮮では最高の銀河管弦楽団で歌手を務めていたところ、スイス留学から帰国し、金日成総合大学の学生だった金正恩氏の目にとまったという。
金第一書記の強引なアプローチで2人は付き合うようになったが、金正日総書記が許さず、突然、李夫人は姿を消すことになる。しかし、金第一書記の思いは強く、再会を果たし、2009年に結婚し、李夫人は翌2010年には女児を出産したという。
結婚した年については、新華社電とは違う報道もある。韓国紙「朝鮮日報」によると、2人が再開して、一緒に暮らし始めたのが2009年で、翌2010年に子どもが誕生したことで金総書記も結婚を許さざるを得なくなったというもの。2人が結婚したのは、金総書記が死亡したあとの今年初めとの説もあるという。
しかも、誕生した子どもは男児だったが、便宜上「女児」として育てているとの消息筋の話を同紙は伝えている。これは、男児ならば後継者として、金王朝4代目となる可能性が高いことから、金第一書記の政敵や外国のスパイの目を欺く必要があるためとみられる。 新華社電は韓国からの情報を多数引用しているものの、「韓国メディアの情報は分析のほか、憶測も多い」と断っている。北朝鮮の最大の同盟国である中国にとっても北朝鮮の奥の院の事情は謎に満ちているようだ。