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便秘原因は習慣、弛緩性便秘、肉類中心食生活の3つと医師解説

 50才を超えても30代に見える医師として大人気の南雲吉則(なぐも・よしのり)先生(57才)が、読者から寄せられた体に関する質問に答える。今回は、頑固な便秘について。

【質問】
 昔からひどい便秘です。野菜をたくさん食べたり、水分をたくさん摂ったり、腸揉みをしたり、あれこれ試していますがなかなか治らず、結局最後は薬に頼ってしまいます。いい改善法があれば教えてください。(ぴょぴょん・41才・主婦)

【南雲先生の回答】
 便秘、苦しいよねえ。ぼくも太っていた20年前は便秘症で、本当に死ぬ思いをしたからよくわかるよ。“死ぬ思い”は大げさだって? いやいや、そんなことないんだよ。詳しくは後で話すけれど、脅してばかりじゃ申し訳ないから、まずは“便”というものの理解から始めようか。

 最初に、便ができる仕組みを押さえておこう。まず食べ物がお腹に入ると、“胃大腸反射”によって、大腸が“蠕動”を起こす。大腸が動いて、食物をいわば咀嚼する感じだね。ここで、体に必要な栄養分などが消化吸収され、不要なものは便となる。

 便の成分は約75%が水分で、残りの25%は、食べたものの中で消化吸収されなかったものや、粘膜の剥がれたもの、垢や細菌の死骸などなんだ。この便が大腸にとどまっている間、大腸は水分を吸収して、なるべく容積を減らそうとする。だから滞留時間が長くなるほど、便は硬くなってどんどん出にくくなるんだよ。

 消化吸収されなかったものっていうのは、主に食物繊維だね。よく“便秘に効く”といわれる食物繊維だけど、これにも動物性と植物性があるんだ。知ってたかな? 動物性の食物繊維は、大腸の中にとどまって腸内の栄養をとことん吸収しようとする性質があるから、腸の中での滞留時間がとても長い。

 つまり便が硬くなってしまうんだ。いっぽう植物性のほうは、水分を蓄える性質を持っているので、便を軟らかくしてくれる。だから、便秘に効くのは、植物性食物繊維だということを覚えておいてね。

 さて、こうして便が直腸に送られると便意を催し、ここで排便しようとすると、肛門括約筋が緩められて便が出る。でも、排便できる状況でなければ、肛門括約筋が緊張して、それ以上便が降りてこないように便が止められてしまう。

 これらを踏まえて、便秘の原因を3つ挙げてみよう。

 1つめは、毎朝排便する“習慣”がついていないこと。女性は朝起きて家族のために朝食を作ったり、洗濯をしたり、いろいろやることが多いから、トイレにゆっくり座る時間なんてないよね。便秘の男性ってあまり聞かないけど、それって、男性は朝起きて、特に用事がないから、トイレで新聞なんかを読みながら排便する習慣がつきやすいんだ。

 逆に、便を我慢することを繰り返すと、括約筋が緊張するクセがついてしまう。さらに腸内に滞在する時間が長くなるから、便が硬くなってますます出なくなるんだね。

 2つめは“弛緩性便秘”といって、腸蠕動自体が起きにくい状態。これは、ストレスや睡眠不足、環境の変化などが原因の場合と、便秘のせいで腸内環境が悪くなってしまっていることなどが考えられるね。

 3つめは、肉類中心の食生活。動物性の食物繊維は大腸での滞留時間が長くて、快調な排便の妨げになることは話したよね。

※女性セブン2012年9月27日号

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