50才を超えても30代に見える医師として大人気の南雲吉則(なぐも・よしのり)先生(57才)が、読者から寄せられた体に関する相談に答える。今回は、多くの人が悩む便秘について。
【質問】
昔からひどい便秘です。野菜をたくさん食べたり、水分をたくさん摂ったり、腸揉みをしたり、あれこれ試していますがなかなか治らず、結局最後は薬に頼ってしまいます。いい改善法があれば教えてください。(ぴょぴょん・41才・主婦)
【南雲先生の回答】
ぴょぴょんさんもいろいろ努力しているみたいだけど、残念ながらどれもあまり効果ナシなんだな~。まず、水分をたくさん摂ったところで便は軟らかくはならないし、ヨーグルトなどの乳酸菌は、胃の中で強い酸にやられて腸まではほとんど届かないんだ。ではどうすればいいか。
まずは、肉類中心の食生活から、野菜中心の食生活へ変えること! 特に根菜類を食べよう。根菜類は、植物性の食物繊維を多く含むだけでなく、おむつやナプキンに使われている“吸水ポリマー”のような“ムコ多糖類”というものを自分の中に持っている。それが人間の腸の中でも威力を発揮して、水分をたくさん吸収することで便を軟らかく膨張させて、出やすくしてくれるんだよ。
特にごぼうは、このムコ多糖類の一種、“イヌリン”が豊富で、便秘症の人には毎日摂ってもらいたいくらい。とはいえ、毎日きんぴらごぼうを食べるのは無理だと思うから、ぼくはごぼう茶をおすすめするよ。ごぼう茶にもイヌリンが含まれているから、便を軟らかくしてくれるんだ。
そして、出やすくなってきたら、まず朝食を食べるようにしたいね。朝食が無理なら、せめて起きたら1杯の水やごぼう茶を飲もう。朝、胃に食物が入ると、腸は蠕動を始めて、便通へと導いてくれるよ。
最後は、朝排便する習慣をつけること。出なくてもいいから、トイレに座る習慣だけでもつけるといいね。
いちばんよくないのは、朝、家では何も食べず、トイレにも行かずに、通勤途中にお茶や水を飲むこと。電車の中で腸蠕動が起きて便意を催したとしても、トイレには行けないよね。そこで我慢をすると、出ない習慣がついちゃうからね。
薬を使って無理矢理出すことは悪いことではないけれど、根本的な解消ではないから、おすすめはできない。やっぱり自然な排便が理想的だから、この3つをぜひ実践してみて!
※女性セブン2012年9月27日号