数年に一度、総選挙で国会議員を選び直しても、日本の政治が一向に変わらないという思いを多くの国民が共有している。それもそのはず、私たちの投票行動はこれまで「漫然と選ぶ」だけであって、「真剣に落とす」ことを怠っていた。落選運動――有権者が行使できる「最も過激な選挙行動」を今こそ考えてみたい。では誰を落とすべきなのか、本誌・週刊ポストが社会保障問題部門で選んでみた。
この部門では、小宮山洋子氏と長妻昭氏の新旧厚労相が国民との約束を反故にした。それを「能力不足」と認めるならまだ救いはあるが、この2人の共通点は公約を撤回した上で、自己弁護を繰り返しながら国民の負担増に手を貸したことにある。しかも民主党の厚労行政のシンボル的立場をいまだに保っているのだから手に負えない。
子ども手当や最低保障年金を民主党マニフェストの目玉に据えた小沢一郎・「国民の生活が第一」代表の責任も免れない。有権者はその「豪腕」を、大臣たちへの指導にも活用することを期待したが、「オレはとやかくいう立場にない」と他人事を通し、最後は離党してしまった。
※週刊ポスト2012年9月21・28日号