東京・上野の東京都美術館で9月17日まで開かれていたマウリッツハイス美術館展。ここでは、オランダの画家、ヨハネス・フェルメールが描いた“北のモナリザ”と称される名画『真珠の耳飾りの少女』が展示され、大きな話題を呼んだ。そして、フェルメールを巡って宮内庁では思わぬ波紋が広がっている。
この夏、皇太子ご一家は静岡県の須崎御用邸に続いて、栃木県の那須御用邸と連続で静養されるという日々をお過ごしになった。だが、宮内庁のホームページを見てみると、いささか首を傾げたくなるような事実が記されていた。
というのも、8月中の皇太子さまのプライベート以外のご日程は、8月7日、8日の勤労奉仕団へのご会釈、3日、7日、9日の人事異動者へのご会釈、そして8月20日の東京都美術館ご訪問のみ。つまり、皇太子さまの外出を伴うご公務は、“フェルメール”ご鑑賞だけだったのだ。
昨夏は、東日本大震災の被災地の慰問、シンポジウムの開会式ご出席などのご公務を果たされていただけに、今年のスケジュールには宮内庁内外の関係者からも懸念の声があがっているという。皇室ジャーナリスト・神田秀一氏はこう苦言を呈す。
「正直、勤労奉仕団へのご会釈は、奉仕してくれる人々への感謝の意を表すものですから、公務ではなく、どちらかといえば私的なものといえるでしょう。さらに本来、“皇太子”とは陛下を支える立場です。陛下はご高齢に加えて、今年は心臓の手術も受けられた。ですから、本来であれば皇太子さまが長期間静養されるのではなく、その期間、両陛下が静養なさるべきだったと感じました」
皇太子さまの唯一の、外出してのご公務となった“フェルメール”ご鑑賞には、報道陣からも疑問の声があがった。
「ある会見で、報道陣から小町恭士東宮大夫に“どうして美術館をご訪問されるのか?”という質問があったそうです。これに対して東宮大夫は、“オランダで静養(2006年)されたときに、妃殿下と一緒に見たから、もう一度、見てみたい”と皇太子さまが望まれたということを明らかにしたそうです。
つまり、この夏、唯一のご公務は、皇太子さまの“私的な思い”で決められたことだったと東宮大夫は回答したわけなんです。そんな回答をあっさりとしてしまう東宮大夫にもびっくりしたそうですが、そうなると、皇太子さまの8月の公務は実質“0件”ということになる。ですから、この東宮大夫の発言には報道陣もあ然となったようです」(皇室関係者)
※女性セブン2012年9月27日号