数年に一度、総選挙で国会議員を選び直しても、日本の政治が一向に変わらないという思いを多くの国民が共有している。それもそのはず、われわれの投票行動はこれまで「漫然と選ぶ」だけであって、「真剣に落とす」ことを怠っていた。落選運動――有権者が行使できる「最も過激な選挙行動」を改めて考えてみたい。では誰を落とすべきなのか、本誌・週刊ポストが注目の集まる領土問題で選んでみた。
この問題は自民党の政治家が目立つ。民主党の政策が優れていたわけではなく、民主党にも土肥隆一氏のように「竹島は韓国領である」との日韓共同文書に調印するような政治家がいた(土肥氏はこの発言が原因で離党)。
落選運動の対象となる民主党の議員が少ない理由は、外交的に何もせず、自民党時代の前例を踏襲していただけという面が強い。
8月に発生した中国活動家の尖閣上陸問題では、野田政権が活動家を島に上陸させた後に強制送還したことに批判が集まった。
その中心は安倍晋三・元首相、石破茂・自民党前政調会長らだが、この2人がそれぞれ自民党幹事長、防衛庁長官だった2004年の活動家上陸の時、今回と全く同じ対応を支持したことは厳しい目で見るべきだろう。
※週刊ポスト2012年9月21・28日号