多くの日本人が毎日のように口にするお茶。日本人にとっては必要不可欠ともいえるお茶だが、どうすればおいしいお茶を淹れることができるんだろうか。“登紀子ばぁば”こと料理研究家の鈴木登紀子さん(88才)が、おいしいお茶の淹れ方を伝授する。
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玉露など上等の煎茶は、一度沸騰させたお湯を器などにあけ、ほどよくぬるませてから、お茶の葉を入れた急須に注ぎます。このときに使う器を「湯ざまし」といい、お湯の温度は玉露なら75度ほどが適温とされています。
お湯は必ず一度煮立ててからお使いください。ちなみに、やかんの蓋を取って5分ほど沸騰させると、カルキ臭も抜けるといいます。
急須にお湯を注いだら、お茶の葉がよく開いたところで注ぎきってしまうこと。それから、茶托にのせたままの茶飲みに注いではいけませんよ。急須や茶碗からこぼれたら、茶托までびしょびしょになってしまいますからね。
そうとはいえ、この頃ではペットボトルに入った多種多様なお茶がどこでも手に入りますし、そもそもお茶の葉を常備していないご家庭すらあると聞きます。
お料理教室に初めていらっしゃる生徒さんの中にも、席につくなりペットボトルのお茶をテーブルにお出しになるかたがおります。
私はそんな時、「お隠しください」とお願いします。そもそも食卓にペットボトルをおくことが無粋で失礼。また、お食事には汁ものがついているのですから、お茶は最後にいただくのが作法です。
お茶がお食事のお供になるのは、外でお弁当を召し上がるときにとどめてくださいませね。
そのかわり、お食事が済みましたらすぐにお茶をお出しできるよう、あらかじめお湯のみと急須をセットしておくことも、大切な心配りですよ。
※女性セブン2012年10月4日号