欧州の債務危機に一喜一憂する相場が続く為替市場。今年後半から年末にかけてどのような展開をみせるのか、為替のスペシャリスト、松田トラスト&インベストメント代表の松田哲氏が予測する。
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【米ドル/円相場は1ドル=76~86円】
米ドル/円は今年2月に「上昇トレンド」に転換したとみている。アメリカでQE3(量的緩和第3弾)が実施されたが、買いで参入するならばQE3後の相場をしばらく見極めてからがいいだろう。
年内のドル/円は下値76円、上値86円のレンジで推移すると考える。ドル/円はユーロやポンドのようにシャープに動かないため、トレードで物足りないと感じる人もいるかもしれないが、日本人にはドル/円が最も馴染みがある上、買いのイメージもしやすいと思う。
【ユーロ/円相場は1ユーロ=90~110円】
ユーロ安・円高トレンドに変化はない。欧州債務危機を背景に、ユーロ/円はジリ安の展開が続くだろう。ユーロ/円の下値のめどは90円。細かくいえば、歴史的高値の88円が当面の下値ターゲットとなる。
目先では以上の通りだが、来年以降、88円を下に抜けていく可能性も否めない。年内のレンジの上値は110円程度をみている。ただ、今のユーロの状態を考えると、もしかすると105円付近で頭を押さえられてしまうかもしれない。
※マネーポスト2012年秋号