少女時代に『ベルサイユのばら』の漫画を読んで、悲劇の王妃マリー・アントワネットや男装の麗人オスカルの華麗な姿に胸を熱くした人も多いのではないだろうか。連載が始まったのは1972年、当時24才だった池田理代子さんが2年間で描き上げたこの傑作は、40年たったいまもなお、世代や国を超えてますます多くのファンを増やし続ける。
現在開催中の40周年記念『ベルサイユのばら展』も連日大盛況、来場者は自分の40年間と思い合わせ、『ベルばら』の世界に改めて魅了されている。
「スペインやフランス、イタリアに行ったときも、日本に負けないくらい熱心なファンのかたたちがいてくださいました。この世に自分で生み出した子供のような存在が世界中で愛されているという現象を目の当たりにして、生きた証みたいなものが残せたと思っております」と原作者の池田理代子さん。
歴史物の少女漫画は流行らないといわれるなか、当時人気上昇中の漫画家として24才で連載をスタートした池田さんは、「お金がなかったからろくなものも食べず、20代の女の子が味わうような楽しみを何も味わわず、閉じこもってひたすら描いていました」と振り返る。
また、展覧会の会場には北朝鮮の拉致被害者・横田めぐみさんの両親も訪れた。めぐみさんの母・早紀江さんは「めぐみがファンだったんです。一生懸命、漫画の絵を描いていて、上手に描けるようになったね、と言っていたらいなくなってしまったんですよ。(めぐみが)描いたものを見ていたから、懐かしいなぁと思っています」と語っていた。
※女性セブン2012年10月4日号