厚生労働省が今年行った調査で、100才以上の高齢者は5万1376人と、42年連続で増加。いまや、世界有数の長寿国といわれる日本だが、順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授の白澤卓二氏は次のような疑問を投げかける。
「ただし、その中の8~9割は寝たきりで、元気な人は1~2割ほどです。今、大事なのは100才の誕生日を“迎える”ことより、“元気で”100才を過ごすこと。元気な人とは、100才を過ぎてもボケずに自分の身の回りのことができる、自活している人のことです」(白澤氏・以下「」内同)
“100才までボケない生き方”という、脳と体のアンチエイジング研究の第一人者としてメディアでひっぱりだこの白澤氏。老年学や抗加齢医学の研究を進めるうち、元気な100才と寝たきりの100才の違いがわかったという。
「長寿に影響を与えるのは、25%が遺伝要因で、75%は環境要因とわかってきました。中年期や高齢期をどんな環境で生きるかが重要なのです。なかでも、(1)食事、(2)運動、(3)ストレスのコントロールが環境要因の3つの要素といわれます。つまり、長生きするには体によいものを食べ、適度に体を動かし、生きがいをもって前向きに生きることが大事だということです」
研究の過程で多くの100才を見てきた結果、特に元気な100才に共通しているのは、“いかに体と脳にいい食材を食べているか”ということ。
「体と脳には深い関係があるのです。私は、毎日何をどう食べるかに気を使うだけで、ボケずに長生きすることが可能になると考えています」
白澤氏が、自らも実践し、おすすめしているのが、野菜や果物を使った朝のジュース&スープだ。
「健康長寿のカギをにぎっているのは特に“朝ごはん”。実は、起きぬけの空腹時にご飯やパンなどの炭水化物を摂ると、血糖値が急激に上がり、肥満ホルモンであるインスリンが過剰に分泌されてしまいます。しかし、野菜と果物のジュースや、野菜のスープなら、血糖値が急激に上がることはないので、最初の食事として最適なのです」
※女性セブン2012年10月4日号