50才を超えても30代に見える大人気ドクターの南雲吉則(なぐも・よしのり)先生(57才)が、読者から寄せられた体に関する相談に答える。今回は、アルコールとの上手なつきあい方について。
【質問】
お風呂上がりのビールがおいしくて、毎日飲んでしまいます。週に一度は“休肝日”を作るといいと聞きますが、実際のところどうなんですか?(ホップルン・45才・主婦)
【南雲先生の回答】
“毎日お酒を飲んでいたから肝臓を悪くした”なんて話もよく聞くけれど、じゃあ、アルコールを一切摂らない“休肝日”を設ければ、それで肝臓の機能は元に戻るかというと、そういうことではないんだな。
実は肝臓がアルコールを処理できる容量というのは決まっていて、一生の間にどれだけアルコールを飲めるかというと、男性なら500kg、女性なら250kgといわれているんだよ。だから、1日抜いたからといって、翌日いっぱい飲んだら、まったく意味がない。
ちなみに、アルコールの量0.1kgというと、ワインなら1本、日本酒なら4合びん1本、ビールなら中びん4本に相当する。これを毎日飲むとすると、男性なら14年、女性なら7年で“極量”がきてしまう計算になるんだ。
だから、“休肝日”を設けるというのは、その極量に到達する日を少しでも遅らせようということになるわけだね。
怖いのは、この極量を超えると高い確率で肝硬変になり、それでもまだ飲み続けると、肝臓がんになる人が多いということ。“すぎた酒は命を削るカンナ”というのがよくわかるでしょう?
※女性セブン2012年10月4日号