李明博大統領の竹島上陸、天皇陛下への不敬発言があって、日本人の「嫌韓感情」に火がついている。しかし、嫌韓は日本だけではなくアジア各地にも広がっている。ベトナムの例をジャーナリストの山村明義氏が紹介する。
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2010年7月、慶尚北道清道郡に住む37歳の韓国人の夫が、20歳のベトナム人新妻を、韓国に来てわずか1週間で殺害するという悲惨な事件が発生した。前年の2009年7月にも、釜山市で精神疾患を患った韓国人男性がベトナム人妻を殺害する事件が起きた。
その以前から、「韓国人は、女性を商品のように扱う」とベトナム主要紙が韓国を批判的に報道していた経緯もあり、ベトナム・韓国間の外交問題になっていた。
実際にベトナム政府は2011年以降、「満50歳以上、または年齢差が16歳以上」の韓国人男性とベトナム人女性との国際結婚を禁止する厳しい制限規定を設けた。
先進国で韓国以外の国が規制対象になることはあり得ないだろう。海外商社の現役ベトナム駐在員が語る。
「一般的にベトナム人には、ベトナム戦争時代、韓国人兵士との間に混血児として生まれた“ライタイハン問題”への悪感情が今なお残っているため、韓国人への嫌悪感が強い。それでも最近、ベトナムへの著しい経済進出で、大人しいベトナム人女性と国際結婚したがる韓国人男性が増えてきた。
一昨年7月のベトナム人新妻惨殺事件でも、ベトナム政府は、あまりにも多い韓国人男性による殺害事件の再発防止のため、男性の財産や病歴などの情報提出を求めたほど。ベトナム人女性を韓国へ連れ帰る際には平気で“韓国の生活は良い”と嘘をつき、“ベトナム人女性は逃げ出さない”などと見下す。DV(家庭内暴力)などの事例が相次いでいるから、韓国人の評判は悪いままだ」
※SAPIO2012年10月3・10日号