長寿研究の第一人者である白澤卓二さんが、そのアンチエイジングにいちばん効果的という「食事」について、50代のアンチエイジング食を紹介します。
まず、覚えておきたいのが、50代とは、女性ホルモンのエストロゲンが徐々に減少し閉経を迎える年代だということだ。
「閉経を迎えると骨粗しょう症になる女性が増えるのは、骨からカルシウムが減らないようにするエストロゲンの働きが失われるため。エストロゲンの代わりとなるイソフラボンを含む食材を摂って、女性ホルモンを補うことが重要です」(白澤さん・以下同)
イソフラボンを多く含む食材は、納豆や豆腐、みそなどの大豆製品。積極的に摂ることで、カルシウムの減少を抑え、骨粗しょう症を予防することができる。
イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをする。摂取することで女性ホルモンが減少するスピードを遅くすることもできる。豊富に含まれているのは、納豆、豆腐、豆乳、みそ、油揚げ、きなこなどの大豆製品やごまなど。
また、女性ホルモンが枯渇することで、男性に多いといわれる病気にもかかりやすくなってしまうという。
「メタボリック症候群、動脈硬化、心筋梗塞、高血圧などにかかりやすくなります。そうならないために、コレステロールや内臓脂肪を増やさないよう、食生活を見直す必要があります」
積極的に摂りたいのは、サバやアジ、サンマなどの青魚。青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸は、血液をサラサラにして動脈硬化や心筋梗塞のリスクを減らす効果がある。青魚や鮭に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)、オリーブ油に含まれるオレイン酸、エゴマ油に含まれるα-リノレン酸などは抗加齢効果が高い。不足すると動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞になりやすい。青魚はボケ防止にも効果がある。
「魚が不足すると飽和脂肪酸が増え、中性脂肪やコレステロールの量もアップしてしまう。しかし青魚ばかりでもバランスがよくありません。肉にはビタミンB1、亜鉛など重要な栄養が入っているので、魚と肉を1:1のバランスで食べるのが理想的です」
ビタミンB1は摂取した炭水化物をエネルギーに変え、代謝を助ける働きがある。不足すると疲れやすくなるため、疲労回復にも活躍する。元気に年を重ねるためには欠かせない栄養素。多く含む食材は、豚肉、玄米、うなぎ、枝豆、ピーナッツなど。ビタミンB1の吸収力を高めてくれる辛み成分のアリシンを含む玉ねぎやにんにくと一緒に食べると効果的だ。
※女性セブン2012年10月4日号