本格的な世界景気の後退を織り込み、株式市場も低迷が続くとみられているが、そうしたなかで、どんな投資戦略をとるべきか。投資情報サイト「東京IPO」「東京CFD」編集長の西堀敬氏が解説する。
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今後しばらくは低迷相場が予想される局面下での投資戦略、銘柄選びのポイントとしては、まず、日経平均株価を構成する主要大型株、特に外国人投資家が売買の主体となっているグローバル景気敏感株は避けた方がいいだろう。
同様に、それ以外でも、時価総額の大きい銘柄というのは、外国人をはじめ機関投資家が一方的に相場をつくるという危惧がある。それを避ける意味でも、機関投資家の保有率が低い、あるいはまったく保有していないような中小型株から選択した方が安全だ。
また、どんな銘柄を買うにしても、このような市場環境下では外的要因でマーケットが大きくブレる恐れがあるので、長期保有は禁物と肝に銘じるべきだ。仕込んだ後、長くても1~2か月の間に売り抜けることを心がけたい。
超円高が是正されない限り、内需関連銘柄狙いに徹して、なおかつ業績面で下ブレの心配がない(下方修正の可能性が低い)銘柄を選ぶことが鉄則だ。欲張らず、こまめに儲ける戦略に徹するため、1回の取引でのキャピタルゲインは10%で十分と考える。このような局面では、それ以上望んでも無理だということを肝に銘じておくべきだろう。
こまめに儲けを狙う手法としては、配当や株主優待の実質利回りが高い銘柄に見られる、株価の季節変動に着目した投資法がお勧めだ。
個人投資家が配当・株主優待を目的に投資する銘柄には、半期毎に一定パターンの値動きを繰り返すものが少なくない。「権利付き最終売買日の直前1~2か月に上昇する」、「権利付き最終売買日の前後から大幅下落する」、「権利付き最終売買日後、1か月程度で底を打ち、反転上昇に転じる」といった傾向が顕著に見られるのだ。
したがって、そうした銘柄の季節変動を利用した株価上昇を狙いたい。具体的には、権利付き最終売買日後の下落が底打ちし、値上がりに転じたことを確認した段階で買い、次の権利付き最終売買日の前の上昇期を待って売れば、10%程度のキャピタルゲインは得られるはずだ。配当や株主優待が年2回ある銘柄は、その作戦が年2回とれるということだ。
※マネーポスト2012年秋号