40代になると、30代に比べて格段に太りやすくなるという。これは、加齢とともに基礎代謝が落ちてくることが原因だ。順天堂大学大学院医学研究科 加齢制御医学講座教授の白澤卓二さんはこう説明する。
「基礎代謝が落ちるので、摂取したカロリーを消費しにくくなります。にもかかわらず、30代と同じ食生活を続け、運動もしなければ、当然、体重は増えていきます。40代は体重を元に戻すのがいちばん難しい年代なのです」
体重が増える最大の原因は炭水化物などに含まれる糖質。摂りすぎると、肥満ホルモンのインスリンの分泌量が増え、消費できなかった糖質を脂肪に変えて体にためてしまう。
「体重を減らすには炭水化物を減らすのが早道です。主食には白米やパンではなく玄米を、間食にはお菓子ではなくインスリンが分泌されにくいナッツがおすすめです」(白澤さん)
インスリンの過剰な分泌を抑えてくれるのが、納豆、オクラ、長いも、めかぶ、モロヘイヤ、なめこ、もずくなどのネバネバやぬめりに含まれる粘性物質であるムチン。体内に入ってきた糖質にからみつき、糖質の分解と吸収を遅らせて血糖値の急激な上昇を抑える働きがあるほか、胃粘液を保護する役割も持つ。熱に弱いので、生のまま食べるかサッと火を通して食べるとよい。
また、食物繊維には、脂肪を包み込んで体内への吸収を防いだり、血管を掃除して老化を防ぐ作用がある。ちなみに、食物繊維には不溶性と可溶性の2種類があり、不溶性食物繊維は腸内を掃除し、可溶性食物繊維は脂肪を包み込んで体外に排出する。豊富に含むのは、セロリ、ブロッコリー、にんじん、ゴーヤ、ごぼう、きのこ類、りんご、アプリコット、プルーン、海藻など。食事のときは、食物繊維を食べてから肉や魚を食べると効果的。
「40代のダイエットはカロリー制限だけでは成功しません。糖質制限と適度な運動が重要です」(白澤さん)
また、トマトには強い抗酸化作用のあるリコピンやカロテノイドが含まれており、老化の原因となる活性酸素を除去してくれる。
※女性セブン2012年10月4日号