テレビでもお馴染みの流通ジャーナリスト・金子哲雄氏が、女性セブン2012年9月13日号に掲載された人気連載「うちのバカダンナ」を足がかりに、メディアや流通業界における“キャラ”を分析する。「うちのバカダンナ」では、山路徹氏と杉村太蔵氏による悩み相談コーナーが人気だが、金子氏もそこに注目したようだ。
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バカダンナ、毎週読んでいます。こんな人が世の中にいるんだなーと、ホッとする(笑い)ページです。
増ページ部分では、前回は山路徹さん、今回は杉村太蔵さんが指南役でした。お2人とも“憎めない” 憎まれっ子世にはばかるタイプですよね。お2人ともテレビ局などでお目にかかりますが、ひと目見て、ファンになってしまいました。とにかく何を発言されても、嫌みに聞こえず、ユーモアにあふれているんです。
しかしこれを見てあらためて、メディアでは、いじっても、かわいげのあるスーパーいじられ役の需要が伸びているのがわかりますね。セブンに限らず週刊誌やワイドショーには、好感度が必ずしも高いといえないかたも話題を提供してくださっていますよね。ストレートな人気者だけですと、画面が単調になりやすいんですね。
ですから、スパイスとなるキャラクターが重要になるわけです。だからテレビのプロデューサーさんはキャラクターが重ならず、バラエティーに富んだキャスティングを目指すんですね。今、まさに「きている」キャラクターは“憎めない”憎まれっ子キャラといえるのではないでしょうか。
商品も同じ。売れ筋だけをズラズラ並べてもダメなんですよ。変化球のような変わった商品といっしょに並べたほうが売り上げが伸びるんです。キャラを立たせる作戦が、メディアにも売り場にも必要なんですね。
※女性セブン2012年10月4日号