車椅子の母(80才)を散歩させるのが彼女の日課だった。自宅周辺は坂道も多く、しかも体重は母のほうが重い。いつしか彼女の手にはマメがたくさんできていた──。
滋賀の実家で暮らしていた母親を呼び寄せて、今年5月中旬から一緒に暮らしていた松居一代(55才)。当時、同居の理由を女性セブンにこう語っていた。
「母はリウマチと糖尿病なんです。“最後にもう一度自分の足で歩けるようになりたい”という夢が強くて、それじゃあ、東京で治療してみようという話になったんです」
スーパー主婦といわれる松居でも、連日の介護生活に疲労が蓄積していった。自らのブログには、こんな弱音を吐かれていた。
<正直疲れました(中略)しかし…「これくらいで疲れた!」なんていったら罰が当たりますね>
そして、約2か月後の7月6日、母親は滋賀へと戻っていった。実父に話を聞くと、
「東京にはあくまで治療のために行ったので、一時的な同居です。家内は今では自分の足で歩けるようになりました。なので、こっちに戻って来たんです。やっぱり故郷やし、住み慣れたこちらがいいですわ」
松居の介護疲れに関しては、
「一代はストレスを感じてたんですか? そんなことは聞いたことないですよ…」
とまったく知らなかった。きっと、親に心配をかけまいと隠していたのだろう。だが、松居の体に異変を起こすほど、そのストレスは大きくなっていた。
母親を見送ったその日、松居はその足で行きつけの美容院に。母親と同居していた2か月間、髪を切りに行く余裕もなかったのだ。そして、カットを始めると、美容師の様子が何やらおかしい。ブログには、こう綴っている。
<「あれ…?」と美容師さんにいわれて…鏡をみてみると…な、な、なんと 1円玉ぐらいのハゲができていました 神経を使う…ということは実に恐ろしいですね>
以前には、前夫の多額の借金などがストレスとなり、顔面麻痺になったこともある松居。“スーパー主婦”にとっても、介護とはやはりたいへんなものだったようだ。
※女性セブン2012年10月11日号