野球世界一決定戦・WBCの監督就任を断固拒否する姿勢を示した落合博満中日前監督(58)。巷では健康問題が最大の理由と報じられているが、これまでの日本代表チームの運営方法に不満を持っていることもその一因といわれる。
たとえばアテネ五輪の際、「各球団2人ずつ計24名を派遣する」とオーナー会議で決まったにもかかわらず、長嶋茂雄監督がその枠を撤廃しようと動いたり、中畑清ヘッドコーチがアテネ五輪中に「井端を貸してくれ」といい出したりと、落合氏はルールに乗っ取らないやり方に疑問を抱いていた。
落合氏自身、「世界大会があるのは何年も前からわかっているのだから、そこに向けて前々から準備をしよう」と提言していたが、ほとんど受け入れられることはない。場当たり的な対応で、無理難題を突き付けられたうえに、自分が悪者にされるのだから、納得がいかない部分もあるのだろう。
9月2日、群馬県伊勢崎市での講演会では、アテネ五輪終了後のエピソードを、語気を荒らげながら、こう語っている。
「(ヘッドコーチの中畑)清が負けて日本に帰ってきたら、『中日が協力しなかったから金メダルを獲れなかった』といった。自分の能力を棚に上げて(会場笑い)。選手が足りないから金メダルが獲れなかった? その言い草はないだろ。
その後にも、アイツは礼を欠いたんだ。帰って来てから、『おたくから選手を借りて戦って、こういう結果になりましたけども、協力ありがとうございました』と、12球団全部回るべきなのに、アイツはしなかった。それで第一声が、俺が協力しなかったから負けた? 『あんな野球をやったら負けるわな』と思ったよ」
落合氏はよほど当時のことが腹に据えかねているようだ。