尖閣諸島を巡る問題で日中関係が悪化した影響で、日本に来る中国人観光客が激減。その影響は秋葉原の電気街に及んでいる。
中国では日本ツアーのキャンセルが相次いでおり、すでに予約者の約40%がキャンセル。その数は、約10万人にも上るという。当然、中国人に人気だった観光スポットは大打撃を受けている。そのひとつが、秋葉原の電器店だった。
「ここ2、3週間で中国からのお客さんはかなり減りましたね。いつもならツアーバス10数台できて、テレビからデジカメ、洗濯機、炊飯器にいたるまで大量に買っていくんですが…」(秋葉原の某大型電器店の店員)
ひとりで数百万単位の買い物をする富裕層の客など、店側にとって中国人観光客は最近いちばんのお得意様だった。店によっては中国語ができるスタッフを配置したり、商品に中国語の表示をつけるなどして彼らの取り込みをはかってきた。
それが、「尖閣問題が起こってからは、個人で来るような中国人のお客さんもほとんどいませんし、ツアーバスも1台もこなくなりました」(前出の店員)という。
中国では国慶節(建国記念日)により、明日9月30日から大型連休に入るため、本来なら秋葉原の電気街は多くの中国人観光客で賑わうが、今年はそれも期待できないようだ。
「例年ならかき入れ時で、連日ツアーバスが何十台も来ていましたからね。でも、今年は今の状況だとちょっと厳しいですね。中国人のお客さんは震災後一度、大きく減ってしまったんですが、昨年末以降、回復してきていたのに…。今度はいったいいつになったら客足が戻るのか…。店にとっては大打撃です」(別の大型電器店の店員)