関根勤(59才)が『全肯定! 関根流・ポジティブ人生相談』(マガジンハウス刊)を上梓。老若男女から寄せられたお悩みを、独自の視点でぶった斬る。大真面目にふざける関根流思考法を取り入れれば、毎日がハッピーになれると話題だ。
「人生相談ってねえ…そもそも人間が悩むっていうのは生きている証なんですよ。紅鮭を見てください! 大スズメバチでもいい。いや、もっといえば樹氷! 樹氷はあの寒い中、じっとしています。それに比べたらどれだけ人間が自由かってことです!
でも二足歩行してから、大脳新皮質が発達していろんなことに悩むようになってしまった…。ぼくがタイムマシンに乗れたら、最初に二足歩行した奴のところに行って、足をつまずかせて二足歩行を成功させない(笑い)。古代脳のまま森で暮らしていたいなって。
あ、でもオリンピックに出ていたような“超人”を目指す人は嫉妬とか余計なことに悩んだりしないそうですから、ある意味動物と同じくシンプルな構造。ぼく? ある意味妄想の超人でしょうね」(関根・以下同)
関根が初めて人生相談に挑んだのが本書。『全肯定!』のタイトルそのまま、悩むこと自体をまず肯定したうえで、そこから妄想の世界へ突入。独自の理論を展開してゆく。
“職場で性格が合わない上司がいる”というお悩みには、「まず職があることに感謝! そして上司の内面や生い立ちに妄想を広げ、あんな性格になったのは、しょうがないと同情する。それでも納得できなかったら探偵雇って弱点を見つけたりしては」というお答え。
“ルックスが良くてマメだった元カレが忘れられず、新しい恋ができない”というお悩みには「完璧な彼と別れられて良かった! だって最初に完璧すぎたら、つきあううちにどんどん欠点が見えてきたかもしれない。今後は生後2か月のトイプードルを育てる気持ちで、男を育てる楽しみを味わえばいい」と。
嫌なことも見方を変えるとちょっとラクに思えてくるものだ。とはいえ、かくいう当人も、“ラビット関根”として活動していた若手芸人時代は、その風貌やシュールな芸風から、気持ち悪いとお茶の間から毛嫌いされるなど、世間の評価が約10年間ついてこなかったというツライ経験がある。
そこで彼を支えたのは、妄想力だけでなく、父親の存在だった。
「明治生まれの父は、ぼくが9才のときに脳梗塞で倒れたんです。それでも体に鞭打って家族のために働いてくれました。常に親父だったらどうするかなって考えながら、嫌なことは乗り越えてきた。それがぼくがへこたれなかった大きな理由でしょうね」
※女性セブン2012年10月11日号