相撲協会が「悪童」の怨念に背筋を寒くしている。めでたく第70代横綱に昇進した日馬富士。だが、早々にその品格にクレームがついた。協会関係者が嘆く。
「テレビ取材が入っているのに、稽古場でビールを飲むわ、ガムを噛みながら取材に応対するわで、素行の悪さが全国に知れ渡ってしまった。これに協会幹部は“さすがに早すぎる”と頭を抱えている」
実は、横綱昇進の推挙について協会の審判会議では意見が真っ二つに割れた。
「土俵上ではダメ押しや立ち合い前の威嚇といった眉をひそめる挑発行為を平気でするし、稽古もサボりがち。全勝優勝をしなければ昇進を認めないという強硬な意見も出たぐらいです。
まァ、日馬富士のお手本は、あの朝青龍ですからね。陰で“ミニ朝青龍”と呼ばれていますよ」(同前)
いわずもがなだが、朝青龍といえば、東京・西麻布の路上で暴行事件を起こして土俵から強制退場を食らった悪童だ。その朝青龍と日馬富士は自他共に認める師弟関係にある。
「親密さは引退後も変わらない。今年の名古屋場所後には故郷モンゴルで2人一緒に登山をしてはしゃいでいた。朝青龍が先場所の千秋楽にわざわざ来日し、我が物顔で支度部屋まで入ってきたことにはさすがに驚きました」(日馬富士の後援者のひとり)
※週刊ポスト2012年10月12日号